研究課題/領域番号 |
17K10361
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
永谷 幸裕 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (80402725)
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研究分担者 |
山城 恒雄 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30772545)
大谷 秀司 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (70510270)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 呼吸内運動局所間比較 |
研究実績の概要 |
新たなCTの撮影法である、320列CT撮影装置を用いて撮影を行う4次元呼吸ダイナミック CTでえられた画像を解析することにより、従来の画像診断や各種の臨 床生理学的検査では評価不可能であった、間質性肺炎における局所の病態生理を反映する気道・ 末梢肺野・胸膜及び肋間筋を含む胸壁での呼吸運動を可視化・定量化すること、間質性肺炎の新たな治療指針・戦略を提供しうる呼吸動態画像診断法を確立することを目的に、平成29年度に、滋賀医科大学倫理委員会に臨床研究の申請を行い、承認を得た。(整理番号:29-277/間質性肺炎における呼吸ダイナミックCTを用いた気道・末梢肺野・胸壁の局所動態解析)具体的には、呼吸器内科にて抗炎症薬・抗繊維化薬による治療を受ける予定がある、或いははすでに経過観察されている間質性肺炎、上葉優位型肺線維症或いは気腫合併肺線維症を対象とするもので、4次元呼吸ダイナミックCTでの被曝線量は、すでに先行的に行われている同種の呼吸ダイナミック CT研究より約 3-4mSvと算出されており、、通常の胸部CTの被曝線量(3-4mSv程度)と併せても、推奨の胸部CTの一回被曝量(10mSv前後)を十分下回る安全な検査となることが確認されている。
引き続いて、隣接するより多時相での画像データの計算により動態の連続性をより緻密に補完再構成する技術、変化し続けるあらゆる部位の形状を経時的に可能な限り正確に捉えるための非剛体レジストレーションアルゴリズム、物体内の刻々と形状が変化するボクセルを追跡する技術等の画像処理技術を応用した4次元肺動態解析ワークステーションのレンタル契約をザイオソフト社との間に締結した。
研究内容を説明し、同意が得られた対象症例の登録を開始した。現在、呼吸ダイナミックCT撮影を随時施行しつつある状況で、数例の画像で、末梢肺野領域の呼吸内運動の局所間比較を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
具体的な症例の登録基準の選定、呼吸ダイナミックCT及び通常CTでの経過観察期間の決定の最適化に時間を要し、臨床研究の当院倫理委員会への申請がおくれてしまったため。
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今後の研究の推進方策 |
末梢肺野の局所間、末梢肺野と近傍の比較的中枢側の気管支、肋間筋や横隔膜等において、呼吸内運動にどのような類似性・相違性が生じるかを、膠原病に関連する間質性肺炎、上葉優位型肺線維症或いは気腫合併肺線維症の間で群間比較、或いは郡内でも比較し、病態の進行や予後予測に貢献できる動態パラメータを検出すべく、詳細な画像解析を行う予定である。
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