研究実績の概要 |
1)体内金属を模したファントムの作成:金属アーチファクトの検討のため、水ファントム(1辺20cm立方体)中央に金属クリップを留置したものを作成した。 2)最適な単エネルギーX 線の決定:金属アーチファクトは、連続エネルギースペクトラムである通常のX 線CT で撮像する場合に発生する。 dual energy CT の金属アーチファクト抑制ソフトでは、最適な単エネルギーX 線により、金属アーチファクトの発生しにくい画像を作成しうる(Meyer E, Radiation Physics 2012)。ファントム撮影は、当大学医学部附属病院設置の診断用 dual energy CT (CT Discovery 750HD scanner, GE Healthcare, Milwaukee, USA) を用いた。相対電子密度が既知のCT ファントムと金属ファントムを、X 線エネルギーを60kVから140kVまで10kV毎に変更して撮影した。2名の放射線科医で、視覚評価および金属クリップ近傍に設定したROIのCT値計測の2種類の方法で金属アーチファクトが最も減弱するエネルギーを検討した。最適なエネルギー条件は140kVと決定した。 3)CT 値・電子密度変換テーブルの作成:当院所有の放射線治療計画装置(Pinacle3,日立)で、金属アーチファクト抑制単エネルギーX 線CT のCT 値・電子密度変換テーブルを作成した。
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