先天性心疾患患児に対するDSCTを用いた低管電圧高速らせん撮影と逐次近似再構成法の有用性について後方視的に検討した。対象は5歳以下の先天性心疾患患児287症例である。得られた画像を従来のFBP法と、逐次近似再構成法であるSAFIRE法で再構成し、画質を比較評価した。SAFIREで再構成することによって、FBPで再構成された画像と比べて約20%のノイズ低減と、約25%のSNRの向上を得ることができた。また被曝線量については、実効線量が80kVp群に比べて70kVp群が有意に低値であったが、両群間でSNRに有意差は認めなかった。本撮影法および再構成法は先天性心疾患患児に対して有用と思われた。
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