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2018 年度 実施状況報告書

細胞周期制御因子CDK2を標的とした放射性プローブの開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K10369
研究機関北海道医療大学

研究代表者

北浦 廣剛  北海道医療大学, 薬学部, 准教授 (10281817)

研究分担者 大倉 一枝  北海道医療大学, 薬学部, 教授 (60094827) [辞退]
大島 伸宏  北海道医療大学, 薬学部, 助教 (80508648)
久下 裕司  北海道大学, アイソトープ総合センター, 教授 (70321958) [辞退]
東川 桂  北海道大学, アイソトープ総合センター, 助教 (10756878)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワードがんのイメージング
研究実績の概要

1. 放射性分子プローブの合成研究
CDK2への強い結合性が認められた2種類の化合物について、その放射性標識体の合成法を検討した。最終的には画像診断に用いる核種(ヨウ素123)にて標識体の合成を行うが、当面は、試験管内でのCDK2への結合解析やがん細胞への取り込み実験を行うため、半減期の長いヨウ素125を用いた標識合成法の確立を進めた。最終的に、化合物 I125-KANに関しては、放射化学的収率:22%、放射化学的純度:97%、比放射能:37.8 GBq/mmol 、化合物 I125-OKAに関しては、放射化学的収率:8.4%、放射化学的純度:96%、比放射能:56,6 GBq/mmol となる合成法を確立した。

2. がん細胞株を用いた放射性標識化合物の細胞内取り込みの解析
培養がん細胞株として、ヒト皮膚がん細胞(A431)とヒト胃がん細胞(MKN45)を用い、培養シャーレ内での放射性化合物の細胞取り込みを解析した。化合物 I125-KANに関しては、A431細胞において時間依存的な細胞内取り込みの上昇が認められ、化合物添加後10分にて 170 %Dose/mg protein の高値が認められた。化合物 I125-OKAに関しても、MKN45細胞において時間依存的な細胞内取り込みの上昇が認められ、化合物添加後10分にて 460 %Dose/mg protein の高値が認められた。しかし、未標識CDK2阻害剤を用い、細胞取り込みへの競合によりその特異性を検討したが、濃度依存的な阻害効果の増大が弱く、標識合成法も含めさらなる検討を進める予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

設計・合成した放射性化合物の比放射能が若干低いものの、がん細胞株への取り込み効率は高く、増殖の激しいがんの画像診断において有望な化合物であると考えている。

今後の研究の推進方策

昨年度の合成法では、一部、同位体交換反応を用いており、非放射性化合物そのものが混入している可能性が高いため、放射性ヨウ素化法の改良を進め、がん細胞への取り込み効率実験の詳細な検討を行う。
また、現在の2種の化合物のCDK2結合活性は高いことが明らかになっているが、類似の他のCDK1~CDK9に関しての結合性は不明であるため、検討を進める。これにより化合物のCDK2特異性が判明し、昨年度の細胞取り込み実験において競合阻害効果が小さかったことへの解明の一助にもなると考えている。
実際の生体への投与の際には、血中にて分解を受けにくく安定であることが重要であるため、血漿中での放射性化合物の安定性についても検討を進めたい。

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公開日: 2019-12-27  

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