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2019 年度 実施状況報告書

深層学習を用いたBモードおよび造影乳腺超音波コンピュータ支援診断システムの 開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K10374
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

中田 典生  東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (80237297)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード人工知能 / 機械学習 / 深層学習 / 超音波診断 / 乳腺 / 乳癌
研究実績の概要

1)本研究ではコンピュータ支援診断システム開発に深層学習の手法を用いる。深層学習には、画像と答え(この場合、病理の結果)が一緒になった乳腺超音波画像のデータセットが必要であり、まずこれを集める必要がある。平成29年度には、乳腺腫瘤を有する超音波画像をDICOM形式の画像として約2000例(2012年~2016年分の画像)の収集を完了した。これらの画像はいずれも病理診断結果があり、良性ないし悪性の腫瘤のいずれかが予め解っている画像である。乳腺造影超音波検査はすでに乳腺腫瘤の造影超音波の動画および静止画像が約100 例保存されている。次に、実際にはすでに収集したDICOM画像をJPEG画像に変換して、画像に描出されている乳腺腫瘤を正方形のボックス型の線で囲い込み保存する。これらの画像を病理診断名別に良悪性に分類した状態で保存する。平成30年現在、2016年、2015、2014年の画像データについてほぼ教師学習用データ作成が完了している。
2)学習用データを用いた機械学習として今回、深層学習のうち畳み込みニューラルネット(以下CNN)という手法を用いる。すでに研究施設にある機械学習専用に作成された専用タワーデスクトップ型コンピュータのマザーボードやCPUなどを科研費により購入した新たな部品に交換してハードウェアの性能向上を達成した。ハードウェアのアップグレードとオペレーションシステム(Ubuntu Linux)の更新に伴いCNN を実行できるソフトウェア環境を再構築した。
3)画像診断における深層学習研究の進歩に伴い、実用化に向けて解決しなければならない複数の研究上の課題、すなわち不均衡データの分類問題や作成したアルゴリズムモデルの評価方法の問題などが明らかになってきた。令和元年度の研究により、これらの課題の解決の目途がたった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

1)画像データセットの準備: コンピュータ支援診断システムを開発する際には、深層学習の手法を用いる。深層学習には、画像と答え(この場合、病理の結果)が一緒になった乳腺超音波画像のデータセットが必要であり、まずこれを集める必要がある。平成29年度には、乳腺腫瘤を有する超音波画像をDICOM形式の画像として約2000例(2012年~2016年分の画像)の収集を完了した。しかしながら深層学習には、できるだけ多くの数千単位の画像データが必要である。そのため研究に必要な教師学習用の超音波画像の収集をさらに進めるため時間を要し、これにより研究の遂行に遅れが生じた
2)学習用データを用いた機械学習: 今回、深層学習のうち畳み込みニューラルネット(以下CNN)という手法を用いる。すでに研究施設にある機械学習専用に作成された専用タワーデスクトップ型コンピュータのマザーボードやCPUなどを科研費により購入した新たな部品に交換してハードウェアの性能向上を達成した。ハードウェアのアップグレードに伴いCNN を実行できるソフトウェア環境を再構築した。基本となるオペレーションシステムであるUbuntu Linuxのバージョンアップ(16.04から18.04)へのアップグレードにともない、コンピュータ内部のソフトの再構築に時間を要したため、やや研究が遅れた。

今後の研究の推進方策

1)乳腺腫瘤の良悪性判定の深層学習による分類アルゴリズムは完成した。今後は、世界的深層学習の最先端の研究に合わせた研究成果を本年度中に発表する予定である。
2)造影超音波検査のデータ解析を進め、本年度中に研究成果をまとめる。
3)画像診断における深層学習研究の進歩に伴い、実用化に向けて解決しなければならない複数の研究上の課題、すなわち不均衡データの分類問題や作成したアルゴリズムモデルの評価方法の問題などが明らかになってきた。本年度にこれらの課題解決方法の研究成果を発表する予定である。

次年度使用額が生じた理由

研究成果発表として英文論文作成の諸経費、具体的には英文校正の費用等として使用する予定である

  • 研究成果

    (15件)

すべて 2020 2019 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件)

  • [国際共同研究] DeepMind(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      DeepMind
  • [国際共同研究] Google(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      Google
  • [雑誌論文] Recent Technical Development of Artificial Intelligence for Diagnostic Medical Imaging2019

    • 著者名/発表者名
      Norio Nakata
    • 雑誌名

      Japanese Journal of Radiology

      巻: 37 ページ: 103-108

    • DOI

      10.1007/s11604-018-0804-6

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 画像診断と人工知能(解説)2019

    • 著者名/発表者名
      中田 典生
    • 雑誌名

      日本がん検診・診断学会誌

      巻: 26 ページ: 225-237

  • [雑誌論文] 【到来する激動のAI時代 放射線科存亡の危機!?】(座談会/特集)2019

    • 著者名/発表者名
      中田典生、北村直幸
    • 雑誌名

      Rad Fan

      巻: 17 ページ: 96-102

  • [雑誌論文] 【人工知能(AI)の医療分野への応用と解決すべき問題点】画像診断のためのディープラーニング活用 特に米国と中国での実用化について(解説/特集)2019

    • 著者名/発表者名
      中田典生
    • 雑誌名

      最新医学

      巻: 74 ページ: 397-403

  • [学会発表] メディカルAIと法制度、AI・ICTツールにおける開発・運用上の倫理的・法律的な問題点について2020

    • 著者名/発表者名
      中田 典生
    • 学会等名
      第2回日本メディカルAI学会学術集会
  • [学会発表] 米国、中国の医療AIアプリケーションに関する開発と医療機器に認可の現状2020

    • 著者名/発表者名
      中田 典生
    • 学会等名
      第2回日本メディカルAI学会学術集会
  • [学会発表] コンピュータ支援画像診断におけるディープラーニングの応用:海外の研究開発の現状と展望について2019

    • 著者名/発表者名
      中田 典生
    • 学会等名
      第78回日本医学放射線学会総会
  • [学会発表] 超音波診断の近未来. AIを用いた超音波画像コンピュータ診断支援:特に他のモダリティのCADとの関係2019

    • 著者名/発表者名
      中田 典生
    • 学会等名
      日本超音波医学会第92回学術集会
  • [学会発表] 超音波領域でのAI:現状と展望2019

    • 著者名/発表者名
      中田 典生
    • 学会等名
      第 38 回日本脳神経超音波学会総会
    • 招待講演
  • [学会発表] 放射線医療に関する AI(人工知能)技術、画像診断とAI:基礎から最新トピックまで2019

    • 著者名/発表者名
      中田 典生
    • 学会等名
      日本放射線技術学会 中国・四国支部 2019 年度 支部セミナー
    • 招待講演
  • [学会発表] 医療におけるAIの活用をどう進めるべきか、医療分野のAI開発の現状と課題:特に米国・中国の開発状況を踏まえた検討2019

    • 著者名/発表者名
      中田 典生
    • 学会等名
      、第5回クリニカルバイオバンク学会シンポジウム
  • [学会発表] 医用画像のビッグデータと AI 開発の展望、OpenAI と TradeAI2019

    • 著者名/発表者名
      中田 典生
    • 学会等名
      第38回日本医用画像工学会大会
  • [図書] 医療AIとディープラーニングシリーズ 標準 医用画像のためのディープラーニング-入門編-2019

    • 著者名/発表者名
      中田 典生( 藤田 広志 監修、福岡 大輔 編)
    • 総ページ数
      176
    • 出版者
      オーム社
    • ISBN
      978-4-274-22364-8

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公開日: 2021-01-27  

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