研究課題/領域番号 |
17K10385
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
立花 泰彦 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 分子イメージング診断治療研究部, 主任研究員(定常) (20749973)
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研究分担者 |
相田 典子 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所), 臨床研究所, 部長 (20586292)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 機械学習 / 深層学習 / 可視化 / MRI / 脳 / 分類問題 |
研究実績の概要 |
研究計画に従い、提案技術の開発に取り組んだ。また、得られた知見を利用し、関連研究を推進した。 1.昨年度までに行ったHuman Connectome Project(国際的な公開データ)を利用した実装研究をBrush upした。成果を論文にまとめ、Magnetic Resonance in Medical Sciences誌に発表した。 この研究は今年度までに国際学会(ISMRM)での特別セッション採択や国内学会(JAMIT)での学会賞受賞、国内商業誌(INNERVISION)への特集記事執筆など高い評価を受けている。 2.1.の研究をさらに高度に実装研究するためのデータベース(健常小児脳)を引き続き構築中である。 3.関連研究として、脳のSynthetic Relaxometry Imagingによりミエリン濃度を推定するためのニューラルネットワークを開発した(2018年度)。これは従来の技術に加えて、推定の際に個々のピクセルのT1,T2緩和、プロトン濃度だけでなく、そのピクセルの解剖学的な位置関係を反映させることを目的としたもので、結果として従来のものよりも正確な推定が行える可能性が示された。この成果は国際学会(ISMRM)で発表したほか、国際誌に論文投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画にそって研究が進捗しており、かつ、その成果を対外的に発表することもできているため。
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今後の研究の推進方策 |
2017年度より継続的に収集している独自データ(健常小児脳)を利用して、最終的に研究計画書に記載したネットワーク全体の実装を図る。 画像のみでなく、MRSデータや性別等の付随データを総合的に利用した分類学習(年齢の判別)を行い、かつ、どの特徴が最も重要であったかを可視化できるネットワークの実装を行いたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度に必要と計画した必要物品(コンピューターなど)の一部を他課題と共用することにより使用予算を削減することができた。つまり、本課題は機械学習に関するものであるため、計算能力の高いGPUサーバーや、多量のデータを保存したりGPUサーバーに送るファイルサーバー、CPUを用いた計算を高速に行うためのCPUサーバーなど多数の高性能コンピューターを必要とする。しかし、このようなコンピューター技術の発展は昨今著しいため、可能な限りその時点で必要な最低限のコンピューターを購入し、不足に応じて随時追加していく方法が予算を効率よく使うために最も望ましい。このため上記のような効率化を行った。 差額は来年度以降に不足する高性能コンピューターの追加購入等にあてる予定である。
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