研究課題
研究計画に従い、提案技術の開発に取り組んだ。また、得られた知見を利用し、関連研究を推進した。得られた成果は複数の原著論文, 国内外学会, 招待講演などで発表している.1.関連研究として、脳のSynthetic Relaxometry Imagingによりミエリン濃度指標を推定するためのニューラルネットワークを開発し, 国際学会での発表. また, 原著論文として出版した (Magnetic resonance in Medical Science 誌)2.関連研究として, ディープラーニングによる分類問題におけるデータバイアスを解決するための技術開発を行った. 教師データ(例: 画像とそれに対する診断結果のセットが多数用意されている者) を複数の医師により作成する場合, 医師ごとの判断基準が完全に一致しないことによるバイアスが存在し, 学習上のノイズとなる. このようなバイアスが存在することを前提としてネットワークを構築することにより, 学習精度が改善することをシミュレーションおよび実データへの実装で示した. この成果は国際学会(ISMRM)で高評価を受けた(上位10%). また, 原著論文投稿中である.3.当初の研究計画である, 小児データベースを用いた研究はひきつづきデータベースの作成をおこなっているが, データ数やクオリティなどの問題により, 当初よりも多くのデータの必要性が見込まれている. 2.の技術を用いた解決も試みるが, この問題に対応するため, 研究期限を延長した.
2: おおむね順調に進展している
当初の研究計画には修正が必要となっているが, それを契機として関連研究が推進され, 外部への発表やそれによる高評価を受けることができているため.
上記のように、作成してきたデータベースのデータ数、クオリティの問題により、当初計画していた開発に遅れが生じており、研究期間を1年延長した。しかし、この問題点はデータベースのデータ数を増やすことである程度解決可能と思われるため、引き続きデータベースの構築を行い延長期間内での開発に努める。 一方でこの問題からは、従来の開発計画において、臨床データにおける多様性や不均一さがどのような問題を起こすか、という新たな問いや知見が生まれ、分野における普遍的な問題解決を目指した派生研究の成果につながった(現在までの進捗状況 2.を参照)。こうした独自技術もまたデータベースの追加構築と合わせて活用し、当初の予定の研究開発を推進する。また、上記の派生研究も、 関連分野において重要なトピックになりつつあるため, 引き続き開発を推進する.
本課題は機械学習に関するものであるため、計算能力の高いGPUサーバーや、多量のデータを保存したりGPUサーバーに送るファイルサーバー、CPUを用いた計算を高速に行うためのCPUサーバーなど多数の高性能コンピューターを必要とする。これまではこのような計算機環境をはじめとして研究環境の一部を他課題と共用することにより使用予算を削減することができた。しかし、研究機関の延長もあいまって計算機システムの世代交代により旧式化が進んでいるため、これをBrush upして研究環境を維持し、開発を進める。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 8件、 招待講演 4件)
Magnetic Resonance in Medical Sciences
巻: 19 ページ: 324-332
10.2463/mrms.mp.2019-0075
arXiv
巻: epub ページ: epub
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American Journal of Neuroradiology
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10.3174/ajnr.A5927