これまで、67Cuの新しい製造法として開発した共沈分離法、また、67Cuに代替する核種として111Agの分離法について研究してきた。前者の分離法は、イオン交換樹脂を必要としない、つまり、分離精製のために必要とされる酸や塩基の使用量が従来法と比べて非常に少ない(有機溶媒はゼロ)環境負荷の少ない独自の方法であった。これに対し、後者の111Agの分離法は既存の方法(イオン交換樹脂を使用した分離法)の最適解を探す意味合いが強かった。そこで今回、Agの分離法についてもより環境に負荷の少ない(酸や有機溶剤の使用を抑えた)分離法を構築できないか、再検討を行った。その結果、条件設定にまだ考慮すべき点はあるものの、吸着を利用することでイオン交換樹脂を用いずにAgを分離できる可能性が示された。
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