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2017 年度 実施状況報告書

P2X7およびP2Y12受容体PETリガンドによるミクログリア機能の画像化

研究課題

研究課題/領域番号 17K10387
研究機関国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構

研究代表者

前田 純  国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 脳機能イメージング研究部, 主任研究員(任常) (30415426)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード陽電子断層撮像法 / プリン受容体 / ミクログリア / 神経炎症
研究実績の概要

本研究ではミクログリアに発現して機能を調節しているプリン受容体P2X7およびP2Y12受容体に着目し、これらの受容体に結合する特異的なリガンドのポジトロン標識合成を試みた。また、これらのプリン受容体リガンドを動物に投与して小動物PETカメラにて脳内の動態を解析した。P2X7受容体リガンド[11C]JNJ42253432標識合成し、ラットに投与したところ脳への移行性が確認された。またピロカルピン投与による側頭部障害モデルおよびLPS脳内投与モデルにおいて、障害部位への[11C]JNJ42253432の集積が確認されたが、2分前にコールド1mg/kgを静脈内前処置投与しても結合の阻害が見られなかった。さらにアルツハイマー病モデルマウスの脳切片を[11C]JNJ42253432溶液に浸漬してオートラジオグラフィーを行ったが、脳への特異結合は確認できなかった。このことから[11C]JNJ42253432の障害部位への集積はP2X7受容体に依存しない集積と考えられた。また、P2Y12受容体AZD1283のシアノ基へのポジトロン標識合成に成功し、[11C] AZD1283溶液に野生型マウス脳切片を浸漬してオートラジオグラフィーを行ったところP2Y12受容体への結合が確認された。また、アミロイドβ産生するアルツハイマー病モデルマウス切片ではP2Y12受容体の増加が確認された。この[11C] AZD1283をラットに静脈内投与し脳内への移行性を小動物PETカメラにて撮像したところ脳内への移行性は認められなかった。これらのことから、[11C] AZD1283はP2Y12受容体のリガンドとしては有用なものの、in vivoにおける脳内のミクログリアイメージングは困難であると判断した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画していたポジトロンリガンド標識合成に問題なく成功しており、脳内のin vivoの動態についても確認することを達成している。

今後の研究の推進方策

P2X7受容体リガンドについては[18F]JNJ-64413739に変更して同様の評価を行う。また、P2Y12受容体リガンドについてはAZD1283を基に別の部位に標識を行いP2Y12リガンドの特性を維持しているか検証する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2018 2017 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] In Vivo Visualization of Tau Accumulation, Microglial Activation, and Brain Atrophy in a Mouse Model of Tauopathy rTg45102018

    • 著者名/発表者名
      Ishikawa Ai、Tokunaga Masaki、Maeda Jun、Minamihisamatsu Takeharu、Shimojo Masafumi、Takuwa Hiroyuki、Ono Maiko、Ni Ruiqing、Hirano Shigeki、Kuwabara Satoshi、Ji Bin、Zhang Ming-Rong、Aoki Ichio、Suhara Tetsuya、Higuchi Makoto、Sahara Naruhiko
    • 雑誌名

      Journal of Alzheimer's Disease

      巻: 61 ページ: 1037~1052

    • DOI

      10.3233/JAD-170509

    • 査読あり
  • [学会発表] モデルマウスにおけるタウ病態と炎症の経時PETおよび画像病理相関解析2017

    • 著者名/発表者名
      石川 愛、徳永 正希、田桑 弘之、前田 純、平野 成樹、桑原 聡、須原 哲也、樋口 真人、佐原 成彦
    • 学会等名
      第36回日本認知症学会学術集会
  • [学会発表] Visualization of microglial response to tau-induced neurodegeneration in a model of tauopathy2017

    • 著者名/発表者名
      Naruhiko Sahara , Jun Maeda , Ai Ishikawa , Maiko Ono , Hiroyuki Takuwa , Masafumi Shimojo , Takeharu Minamihisamatsu , Masaki Tokunaga , Shoko Uchida , Izumi Matsumoto , Ming-Rong Zhang , Tetsuya Suhara , Makoto Higuchi
    • 学会等名
      Alzheimer's Association International Conference
    • 国際学会
  • [図書] 臨床精神薬理 第20巻9号〈特集〉向精神薬の多剤規制と減量・離脱の実際2017

    • 著者名/発表者名
      前田 純、樋口 真人、須原 哲也
    • 総ページ数
      8
    • 出版者
      星和書店
    • ISBN
      978-4-7911-5239-1
  • [備考]

    • URL

      http://www.nirs.qst.go.jp/seika/brain/index.html

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公開日: 2018-12-17  

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