研究課題/領域番号 |
17K10396
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
河合 信行 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (20724561)
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研究分担者 |
川田 紘資 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (00585276)
松尾 政之 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (40377669)
野田 佳史 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (60643020)
子安 裕美 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 非常勤講師 (70610426)
五島 聡 岐阜大学, 医学部附属病院, 准教授 (90402205)
棚橋 裕吉 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 特任助教 (40724563)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 核磁気共鳴画像 / MRI / 圧縮センシング / Compressed sensing |
研究実績の概要 |
核磁気共鳴画像(MRI)は優れたコントラスト分解能を有しており、形態診断のみでなく機能診断への応用やシグナル定量によるバイオマーカーの作成に向けた取り組みがなされている。一方で複数回の呼吸停止や長い撮像時間が必要であり、患者の苦痛軽減や臨床現場における検査効率の向上のため、スループットの改善が強く望まれている。MRIにおいて優れた画質を維持しつつ検査時間を大幅に短縮することは非常に挑戦的である。本研究では特に長い検査時間を必要とする上腹部領域のMRI撮像において、圧縮センシングとパラレルイメージングを相補的に併用した超時短MRI撮像技術を臨床応用し、超時短プロトコルの最適化と標準化を行うことを目的としている。 本年度においては、研究計画に基づき複数回の健常ボランティア撮像にてパラメータ設定を行いプロトコルの安定性を確認した。上腹部領域の中でも、特に撮像時間に影響を受ける造影剤を用いた肝臓ダイナミック撮像と撮像時間が長い磁気共鳴胆管膵管撮像(MRCP)については臨床応用に着手し、従来撮像法との比較検討を行った。肝臓ダイナミック撮像においては1時相の撮像時間を従来の約1/2と短縮したが画質は定量・定性解析ともに同等もしくはそれ以上であり、撮像時の長時間呼吸停止が困難な患者への応用が期待される結果であった。またMRCPにおいては従来の撮像時間の約1/4に短縮しても診断画像として充分な画質が担保されることを示した。これらの予備段階の結果について第45回日本磁気共鳴医学会大会で口演発表を行い、一定の評価を得ている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
臨床応用まで比較的速やかに移行したため、おおむね順調あるいは当初の研究計画に比しやや進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
現在行っている肝臓ダイナミック撮像および磁気共鳴胆管膵管撮像における圧縮センシング・パラレルイメージング併用の高速撮像法と従来撮像法の比較検討については、現在症例数を増やしパラメータの微調整を行っている。また第26回国際磁気共鳴医学会大会にて演題採択され、発表を予定している。同内容については順に欧文雑誌への投稿を予定している。 今後の展望としては、以下の2つを考えている。1つめとしては高速撮像による恩恵として従来と同一時間で高分解能、高精細の画像を撮像することによる疾患の診断能向上や新たな知見の創出を行うこと。もう1つはecho planner系やbalanced imaging系など複数シークエンスでの設定が可能となれば、全体としてのスループット改善を目的とした研究を進めることを考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究初年度であり研究成果発表における学会旅費や英文校正料等の費用が想定していたより少なかったことが原因である。次年度では国際学会での発表が既に決定し、旅費等の諸経費に充当する計画である。
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