研究課題/領域番号 |
17K10398
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
竹原 康雄 名古屋大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (70188217)
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研究分担者 |
牛尾 貴輔 浜松医科大学, 医学部, 助教 (00402313)
海野 直樹 浜松医科大学, 医学部, 特任研究員 (20291958)
礒田 治夫 名古屋大学, 脳とこころの研究センター, 教授 (40223060)
長縄 慎二 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (50242863)
板谷 慶一 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70458777)
駒田 智大 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (80718354)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 4DFLOW / endoleak / EVAR / 腹部大動脈瘤 |
研究実績の概要 |
腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術によるEVAR(endovascular aortic repair)治療は、その低侵襲性から、近年多用されるようになり、本邦でも2011 年以降、開腹直達手術件数を上回る件数が施行されている。それに伴い、エンドリークや脚閉塞などの術後合併症が問題となってきた。本研究ではMRIを用いた4次元流速解析(4DFLOW)を駆使し、EVAR 後の合併症の超早期検出と高精度病態解明で、より安全な EVAR 実現への道筋を拓くことが目的である。今年度はTypeIIエンドリークの責任動脈の血行動態の特徴について4D FLOWを用いて検討した。 EVARを施行した155例の患者のうち107症例でCT angiography(CTA)と4D FLOWが同時期に施行され、一年後の動脈瘤径がCTAで計測された。1週間後の段階で、39 症例(36.4%)でtype II エンドリークが生じていた。その内 28症例が1年後にCTAと4D FLOWで再評価された。7症例が動脈瘤の増大を認め(増大群)、21 症例は動脈瘤の増大は見られなかった(非増大群)。7日目には, 28症例は 4DFLOWにて80本のtype II エンドリークを検出したが、39本 (48.8%)は1年の経過でflowが消失した (一過性)、ところが、41 本 (51.3%) はflowが持続した (持続群)。 持続群のうち、動脈瘤増大群では責任動脈の内部血流のpeak flow velocityとそのamplitudeが有意に大きかった。 EVAR後の動脈瘤の予後はtype II エンドリークの血管内のflow dynamicsを調べることである程度予想ができる可能性があり、それには4DFLOWが有用であることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
臨床的に最も問題となっているEVAR後のtype II エンドリークについて、4DFLOWを用いた血行動態の評価に成功した。動脈瘤のfateについてもエンドリークの責任動脈の血行動態(peak flowとflow amplitude)とある程度関連性を示唆する所見を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
更に症例を集積し、その他のendoleakについても有意な結果を得たい。
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次年度使用額が生じた理由 |
分担者全員とのミーティングが行えなかったことが理由として考えられます。ネット会議等を利用して、研究計画に齟齬が無いようにしていますが、留意したいと思います。
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