研究課題/領域番号 |
17K10399
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
石田 正樹 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (10456741)
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研究分担者 |
佐久間 肇 三重大学, 医学系研究科, 教授 (60205797)
市原 隆 藤田医科大学, 医学部, 教授 (90527748)
中山 良平 立命館大学, 理工学部, 准教授 (20402688)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 心筋パーフュージョンMRI / シネMRI / 人工知能 |
研究実績の概要 |
令和元年度は、①心筋血流定量解析自動ソフトウェアおよびシネMRIの撮影時間短縮高画質化技術の最適化の継続、②拡張型心筋症患者における心筋血流・心筋血流予備能と心筋細胞外液分画の関係の検討、③心不全患者における心筋血流量・心筋血流予備能と心筋ストレインの関係の検討、④拡張型心筋症患者の予後評価などを検討する予定であったところ、①に関して成果を得た。畳み込みニューラルネットワーク(CNN)は,事前に多くの低解像画像とそれに対応する高解像画像を用意し,小領域に分割した低解像パッチと高解像パッチを用いてCNNに信号パターンの関係を学習させる。この空間的な高解像度化の概念を時間軸に展開することで,低いフレームレートのシネMRI画像を高フレームレート化することができる。これまでの我々の研究で,SRCNNをベースとしたCNNにより,低フレームレート画像を高フレームレート化する手法を提案し良好な結果が得られている。一方、最近ではU-Netを用いて,低フレームレート画像を高フレームレート化する研究が行われ低フレームレート画像の高フレームレート化に応用し,良好な結果が得られている。CNNと,超解像処理に用いられているSRCNN,U-Ne、通常の線形補間法を比較した。SRCNN,U-Ne、線形補間法と比較して、CNNがシネMRI画像に対する忠実度は最も高い結果となりCNNの有用性が示唆された。また、②~④に関して包括的心臓MRI検査が行われた拡張型心筋症患者約40例の蓄積を得ることができ、心筋血流定量解析、心筋ストレイン解析、心筋T1値および細胞外液分画の計測を開始しているが、心筋血流解析ソフトウェアの改修に時間を要しており画像解析は完了に至っていない。また、対象患者の予後追跡は予定通り実施している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究期間までに蓄積した拡張型心筋症症例について、心筋血流量解析ソフトを用いて手動による解析に着手しているが、ソフトウェア開発時以降にMRI撮影装置が更新されたことなどに関連しソフトウェアプログラムの改修が必要であることが判明しソフトウェア担当の研究分担者らが作業中であるがかなり時間を要することがわかり当初の計画の遅延となった。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間までに蓄積した拡張型心筋症症例について、負荷心筋血流MRIの心筋血流量解析ソフトを用いた心筋血流定量解析を行い安静時、負荷時の心筋血流値や心筋血流予備能を得る予定である。シネMRIの解析により左室容積や駆出率、心筋ストレインを得て、心筋血流予備能との関連を評価中である。T1値や細胞外液分画などの心筋組織性状との関連について評価中である。また、予後調査を行い心筋血流予備能との関連についても検討する予定である。負荷心筋血流MRIの定量解析ソフトウェアの改修が予想されるより時間を要した場合、対象患者では負荷時、安静時の冠静脈洞血流計測も同時に行われており、これを用いた心筋血流予備能評価で代用することも検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
国内学会、研究会の旅費に使用する予定であったが、研究の遅延に伴い研究期間を延長することが決まり、次年度の情報収集のための学会出席に充てたいため次年度使用額が生じました。2020年度の国内学会、研究会の旅費として使用する予定です。
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