研究課題/領域番号 |
17K10402
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山本 憲 京都大学, 医学研究科, 助教 (60525567)
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研究分担者 |
飯間 麻美 京都大学, 白眉センター, 特定助教 (60748797)
山田 重人 京都大学, 医学研究科, 教授 (80432384)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | MRI / OGSE / DWI / 血管周囲腔 |
研究実績の概要 |
OGSE-DWIを用いたIVIM(Intravoxel incoherent motion)解析により、頭頸部悪性腫瘍における、腫瘍病変本体及びリンパ節転移について、3-TMRI装置を用いて撮影を行った。同時に、PGSE-DWIも撮影を行い、OGSE-DWIとのパラメータの差異について検討を行った。 また、成人脳を臨床用3-T装置で撮影されたT2強調高分解能画像の視覚評価を行い、皮質下白質に分布する血管周囲腔と思われる高信号領域が、脳のどの領域にどの程度分布するか、検討をおこなった。同時に、脳拡散強調画像ADCマップで、白質領域のADC値分布について関心領域設定を行い、計測を実施した。血管周囲腔拡張が見られる症例では、ADC上昇を側頭葉先端部白質領域に認めることが多く、ADCマップを用いることで、T2強調画像では捉えきれない微細な水分子の動きについて、側頭葉先端領域白質での評価が可能となる可能性がある。 及び、臨床用3-TMRI装置を用いて胎児ホルマリン固定標本0.2mm等方性三次元MRI画像の視覚評価を行い。胎児脳発生段階における、血管周囲腔構造の評価を行った。0.1mm等方性MRI撮像についても、撮像を実施し、画質評価を行った。T1強調画像及びT2強調画像では、撮影時間はT1強調画像が短時間であり優れるが、組織内部コントラストではT2強調画像で特に大脳皮質形成過程が非常に明瞭なコントラストで見られることからは、T2強調画像の有用性が示唆された。 ヒト用7-TMRI装置を用いて、健常者ボランティア撮像を行い、7-TMRI装置での血管周囲腔の見え方について、T2強調高分解能画像で評価を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
0.1mm胎児脳等方性MRI撮像では、T2強調画像の場合には、1回の撮影に8時間程度が必要であり、これを複数回撮影することは、臨床用MRI装置では検査の合間に実施する為、非常に困難があった。現在、撮影スケジュール及び撮影シーケンスについて再検討中である。 OGSE-DWIでの高分解DWI撮像は、シーケンス調整が難航しており、現時点ではまだ満足の行く画像が得られていない状況である。この点についても、再検討を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
①決定されたOGSE-DWI-IVIM撮像設定を用いて、健常者ボランティア及び研究参加承諾が得られた患者でのOGSE-DWI-IVIM撮像を行い、データを解析する。平成31年度も継続する。 ②決定したアルゴリズムを用いて、実際のFLAIR・T2強調画像・造影T1強調画像の特徴量抽出を行う。スパースモデリング計算処理には大量の計算機資源と計算時間が必要となる為、平成31年度にも継続する。 ③胎児標本0.1mm等方性三次元MRI撮像を行い、得られる画像評価及びGlymphatic Systemの発生段階での同定を行う。平成31年度も継続する。 ④7-T MRI装置で健常者ボランティアの脳T2*強調画像とFLAIR画像、TOF-MRA画像を撮影し、得られる融合画像を検討することにより、健常者での髄質血管周囲腔可視化の検討を行う。 ⑤MRI装置メーカーであるシーメンス社ともシーケンス開発を協議相談し、Glymphatic System描出に適した撮像シーケンスの調査及びその導入試験と撮像パラメータ設定を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究成果報告のための論文執筆費用及び成果発表学会参加旅費を翌年度に繰越を行った。及び、MRI撮像方法最適化に必要な費用及び画像ストレージ費用についても、当初予定を遅らせたことにより、当該年度ではなく、次年度使用計画とする。
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