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2018 年度 実施状況報告書

イメージングバイオマーカーとしての実効横緩和率の有用性および標準化に関する検討

研究課題

研究課題/領域番号 17K10404
研究機関大阪大学

研究代表者

大西 裕満  大阪大学, 医学系研究科, 講師 (20452435)

研究分担者 堀 雅敏  大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00346206)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワードイメージングバイオマーカー / 磁気共鳴画像 / 実効横緩和率 / R2*値 / 肝
研究実績の概要

磁気共鳴画像(MRI)における実効横緩和率(R2*値)を臨床に応用するためには、適切な正常基準値の設定し、収集方法の標準化を検討する必要がある。
平成30年度は、MRIにおける腹部臓器の実効横緩和率(R2*値)の正常基準値に関する検討を行った。はじめに当施設における研究倫理審査委員会の承認を受けた後に、正常肝症例の腹部MRI画像のデータを次のように解析した。現在、MRIではDixon法を応用した手法を用いて生体内の脂肪量を簡便に定量することが可能であるが、正確な脂肪定量を行うには多数の交絡因子(multiconfounders)を補正する必要がある。実効横緩和率(R2*値)はその交絡因子の一つであり、multiconfounders corrected proton density(MCCPD)による脂肪分画測定の際には、実効横緩和率(R2*値)の計算画像(R2* マップ)も脂肪分画画像と同時に作成される。そのR2* マップ上に複数の関心領域を腹部臓器に設定して、領域内の実効横緩和率(R2*値)の平均値を測定した。関心領域を設定する際には、T1強調像やT2強調像などの他の画像も参照して、血管などを含まないように配慮し、できるだけ臓器の実質部分のみを含むようにした。得られた測定値より統計学的手法を用いて肝臓における実効横緩和率(R2*値)の正常基準値を算出した。さらに肝臓の実効横緩和率(R2*値)と性別や年齢などとの相関について解析を行った。
さらに、ファントムを用いた計測の標準化に関する検討に関しては、平成30年度は、前年度に作成したさまざまな実効横緩和率(R2*値)を有するMRI用ファントムをMCCPDによる方法で撮影し、R2*マップを作成して、それらの測定を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

腹部臓器のR2*の正常基準値に関する検討についてはほぼ順調に進捗している。
ファントムを用いた計測の標準化に関する検討についてもほぼ順調に進捗している。

今後の研究の推進方策

平成31年度は、これまでに研究を進めてきた腹部臓器の実効横緩和率(R2*値)の正常基準値に関する検討の結果について研究会などで発表し、また、論文などにまとめていく予定である。
それと同時にR2*値の標準化のために、メーカー間、装置間の測定値の差異や再現性などについてファントムを用いた測定データを用いて解析していく。また、鉄沈着が非常に強い場合の測定方法の限界の評価についても高濃度の鉄分を含有するファントムを作成して行う予定である。
平成32年度までの研究期間に、実効横緩和率(R2*値)の解釈法の確立、実効横緩和率(R2*値)の臨床的意義の解明についての検討も行っていきたい。

次年度使用額が生じた理由

予算案を策定した時期と予算を執行した時期の間に購入物品の価格に多少変動があったため、次年度使用額が生じた。当該額に関しては実験資材の購入に充てる予定である。なお、当該額は次年度に使用することによって、より研究が進展することが見込まれる。

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公開日: 2019-12-27  

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