研究課題/領域番号 |
17K10406
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
高須 深雪 広島大学, 病院(医), 病院助教 (70565647)
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研究分担者 |
粟井 和夫 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 教授 (30294573)
川瀬 孝和 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (30463194)
高原 太郎 東海大学, 医学部, 講師 (50308467)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 骨髄腫 / MRI / 拡散強調像 |
研究実績の概要 |
骨髄を首座とするさまざまな造血器疾患においては、病変の分布や性状判断、腫瘍量の推定など包括的な全身評価が必要である。近年造血器疾患の診療においては、放射線学的評価、特にMRIによる骨髄病変の評価が必須となっている。本研究は、3T-MRIを用いた全身MRI及び次世代型シーケンスによる骨髄造血器疾患の評価を目的とした前向き研究である。具体的には、① 骨髄病変の質的診断法としてのMRIの有用性の検証、② High risk SMMのリスク因子となるMRバイオマーカーの解明、③ 再生不良性貧血と低形成MDSの鑑別、④ 化学療法後の治療反応性予測因子となるMRバイオマーカーの探索を通して、MRIの適応基準やガイドライン作成の基礎となる本邦データベースの構築を目的としている。 本年度に多発性骨髄腫30人、再生不良性貧血、骨髄異形成症候群各8人の撮影を行った。機種は予定通りPhilips社製3T-MRI、撮影法は患者についてはDiffusion-weighted Whole body Imaging with Background Suppression (DWIBS)、躯幹部Dixon法、脊椎拡散強調像を撮像した。 解析内容はほぼ予定通り、全身T1強調冠状断像の骨髄信号パターン、局所性病変数、Dixon法による脊椎骨髄のfat fraction、脊椎拡散強調像によるADCとパラメータ解析を行った。患者臨床情報は予定通り、血液・骨髄・染色体検査、MRI撮影時の末梢血・腸骨骨髄所見(骨髄クローナル形質細胞比率、芽球比率、有核細胞比率、異形成所見)血清遊離軽鎖比、染色体所見を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
症例収集に関し、再生不良性貧血、骨髄異形成症候群について収集が遅れている。患者状態が全身MRI検査に適さなかったことが原因と思われた。引き続き収集予定である。 MRI装置はGE社製が更新となったため、Philips社製3T-MRIに統一した。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り、A.骨髄病変の質的診断法としての有用性の検証に関し、 正常対照、造血器腫瘍、再生不良性貧血の臨床及びMRIパラメータを比較し、腫瘍浸潤、赤色髄の分離に対する有用性を検証する。 B.High risk SMMを抽出するMRバイオマーカーの解明に関し、局所性病変数、fat fraction、拡散強調像によるパラメータの変化と、患者の追跡結果を比較する。 C.再生不良性貧血と低形成MDSの鑑別に関し、MRIパラメータと臨床情報を比較する。 D.治療反応性に対するMRバイオマーカーの決定に関し、化学療法前後でMRIパラメータと臨床情報を比較する。
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次年度使用額が生じた理由 |
解析用コンピュータ、ソフトウェアの選定と購入が遅れたため。 平成30年度内に、申請者と研究分担者がMRI解析を行うための解析用コンピュータ(Windows 64Bit)とソフトウェアの購入、バージョンアップを行う。
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