研究課題/領域番号 |
17K10407
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高山 幸久 九州大学, 大学病院, 助教 (60546563)
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研究分担者 |
西江 昭弘 九州大学, 医学研究院, 准教授 (20457427)
浅山 良樹 九州大学, 医学研究院, 教授 (40380414)
石神 康生 九州大学, 大学病院, 講師 (10403916) [辞退]
牛島 泰宏 九州大学, 大学病院, 助教 (40432934)
藤田 展宏 九州大学, 大学病院, 助教 (30610612) [辞退]
本田 浩 九州大学, 大学病院, 教授 (90145433) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 肝細胞機能 / 肝線維化 / 肝炎症壊死 / T1ρ / T2 / MRI |
研究実績の概要 |
本年度は、T1ρ計算画像とT2計算画像を用いて、非侵襲的な肝細胞機能、肝線維化、肝炎症壊死の評価に関する有用性を検討した。 方法は、肝腫瘍術前にMRIにてT1ρとT2マップを撮影し、術後に組織学的結果が得られた76名(男/女=49/27、平均年齢=74才)を対象とした。T1ρ計算画像はスピンロック時間(0,20,40,60ms)、T2計算画像はエコー時間(0,20,40,60ms)を用いて撮影。肝実質のT1ρ値とT2値は脈管や病変を除いた関心領域を3箇所設定し算出。肝障害度はMRI撮影日近傍の採血結果より評価したChild-Pugh分類(CP)を、壊死炎症(A)と線維化(F)は組織学的結果を使用。T1ρ値やT2値と、CP、AやFの関係をスペアマン順位相関係数にて評価。また、CP(CPA~CPC)、A(A0~A2)、F(F0~F4)の各グループ間において平均値をTukey-Kramer HSD testにて対比した。 結果は、T1ρ値とT2値それぞれの、CP、F、Aとのスペアマン順位相関係数は、T1ρとCP:0.56、A:0.45、F:0.56で、T2とCP:0.46、A:0.38、F:0.49だった(いずれもp<.001)。グループ間での比較では、CPは、T1ρがいずれのペアにて、T2がCPAとCPB、CPAとCPCの間に有意差を認めた。AとFは、T1ρがA0とA2、A1とA2、F0とF3、F0とF4、F1とF3、F1とF4、F2とF4の間、T2がA0とA1、A1とA2、F0とF4、F1とF4、F2とF4の間に有意差を認めた。 結論として、T1ρ値とT2値を用いて肝障害度、壊死炎症、線維化を評価できる可能性がある。その診断能はT1ρ値がT2値を上回ることが示唆されると考えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
仮説に合う結果が得られている実感はあるが、対象症例を更に増やした上で検討を行いたいとも考えている。しかし、その対象症例を増やすにも時間がかかっている。時間的な限界と対象を増やした上で検討し、得られる結果が変化するのかどうかも今後考慮しながら、計画を進めていく。
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今後の研究の推進方策 |
対象症例を更に増やした上で検討を行いたいのだが、その対象症例を増やすにも時間がかかる。また、研究計画にて設定した期間内に成果を示すことも必要である。対象症例を今後も増やしつつ、結果に大きな変化がないと判断できた時点で、設定した目標を多く達成できるように計画を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は国際学会にて学会発表を行うことが不可能であった。その為、次年度に再度国際学会へ抄録を投稿しており、学会発表を行う予定である。その為、学会発表の為の英語校正、論文作成、及び旅費が必要となる。
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