研究課題/領域番号 |
17K10408
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
樋渡 昭雄 九州大学, 大学病院, 助教 (30444855)
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研究分担者 |
栂尾 理 九州大学, 大学病院, 助教 (10452749)
山崎 亮 九州大学, 医学研究院, 准教授 (10467946)
山下 孝二 九州大学, 大学病院, 助教 (80546565)
本田 浩 九州大学, 大学病院, 教授 (90145433)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | MRI |
研究実績の概要 |
MRIを用いた神経描出法(MR neurography: MRN)は末梢神経の炎症、感染症、外傷、腫瘍などの評価に用いられる、比較的新しい撮像法である。通常は脂肪抑制法を併用した、T1強調像やT2強調像が用いられるが、従来法では脂肪抑制法が部位的に困難であること、信号値に定量性がないなどの欠点がある。我々が開発した3D nerve-SHeath signal increased with INKed rest-tissue RARE Imaging (SHINKEI) 法では、高分解能で、脂肪、血管や筋肉の信号を良好に抑制した画像が得られる。本研究では以下を目的とする。○SHINKEIを用いた末梢神経疾患の新しい定量的な診断法(SHINKEI Quant)の開発○SHINKEI Quantを用いた末梢神経疾患の治療効果判定及び予後予測 上記に関して、3年間の研究期間内に以下の3点について研究を進める方針である。 1.正常被験者を用いたSHINKEI Quant撮像パラメータの最適化および定量評価再現性の確立。2.他の撮像法(T1強調像、T2強調像、拡散強調像、造影後T1強彫像)との鑑別能比較・検討。3.SHINKEI Quantを用いた末梢神経疾患の診断能評価、治療効果判定 本年度は研究計画に基づき、SHINKEI Quant法撮像パルスシーケンスの開発及び最適化、及び正常被験者でのデータ収集、かつ患者群での撮像を行った。撮像法では特に脂肪抑制法の改善が得られた。SHINKEI原法ではimproved motion-sensitized driven equilibrium (iMSDE)プレパルスを用いて血管及び筋肉の信号を、spectral attenuated inversion recovery (SPAIR)法を用いて脂肪信号を抑制し、その後高分解能のT2強調像を撮像することで、MRNを得ていた。我々はSPAIR法に代わり、mDIXON法を用いることで、効果的な脂肪抑制が得られ、良好な画像が得ることが可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年は研究計画に基づき、SHINKEI Quant法撮像パルスシーケンスの開発及び最適化、及び正常被験者でのデータ収集、かつ患者群での撮像を行った。 撮像法では特に脂肪抑制法の改善が得られた。SHINKEI原法ではimproved motion-sensitized driven equilibrium (iMSDE)プレパルスを用いて血管及び筋肉の信号を、spectral attenuated inversion recovery (SPAIR)法を用いて脂肪信号を抑制し、その後高分解能のT2強調像を撮像することで、MRNを得ていた。我々はSPAIR法に代わり、mDIXON法を用いることで、効果的な脂肪抑制が得られ、良好な画像が得ることが可能となった。 また同法を用い、正常者と慢性炎症性脱髄性多発神経炎(chronic inflammatory demyelinating polyradiculoneuropathy: CIDP)患者の鑑別に有用であることを学会報告し、論文投稿中である。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に基づき、①末梢神経障害を有する患者でのデータ収集、②各々の治療効果判定また、予後推定法の確立、③他のMRI撮像法、PET、PET-MRIなど他のモダリティとの組み合わせによる包括的評価を試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度に購入予定であったワークステーション等は次年度購入することとしたために、次年度使用額が生じた。次年度にハードウェア、ソフトウェア等購入予定である。
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