研究分担者 |
浅山 良樹 九州大学, 医学研究院, 教授 (40380414)
石神 康生 九州大学, 大学病院, 講師 (10403916) [辞退]
牛島 泰宏 九州大学, 大学病院, 助教 (40432934)
藤田 展宏 九州大学, 大学病院, 助教 (30610612) [辞退]
森田 孝一郎 九州大学, 大学病院, 医員 (20725858) [辞退]
石松 慶祐 九州大学, 大学病院, 医員 (20800147)
本田 浩 九州大学, 大学病院, 教授 (90145433) [辞退]
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研究実績の概要 |
2019年度も腹部領域の撮影に最適なT1ρ mapとT2 mapの同時取得を可能とするMRシークエンスを撮影した。虚血領域での検討(虚血が誘発される経皮経肝的門脈塞栓術、部分的脾動脈塞栓術、肝動脈化学塞栓術の前後に撮影を行い、肝臓および脾臓実質のpHパラメータ候補の変化を確認する)、卵巣嚢胞については該当症例の収集が困難であった。肝細胞癌では、術前にアーチファクトのない画質良好なMRが撮像され、肝切除が施行された19例で、(a)細胞異型度、(b)微小門脈浸潤、(c)被膜、(d)サイズとの関連を検討した。中分化肝癌(n=15)の平均T1ρ値は81.4 msec、低分化肝癌(n=4)の平均T1ρ値は67.5 msecで、統計学的な有意差はなかった(p=0.53)。また、微小門脈浸潤あり(n=4)の平均T1ρ値は72.3 msec、微小門脈浸潤なし(n=15)の平均T1ρ値は80.1 msecで、こちらも有意差はなかった(p=0.72)。被膜あり(n=15)の平均T1ρ値は81.7 msec、被膜なし(n=4)の平均T1ρ値は66.4 msecで、有意差はなかった(p=0.22)。直線回帰分析を行なったが、肝細胞癌のT1ρ値とサイズの間にも有意な相関は得られなかった(p=0.89)。今回の検討では症例数が限られており、今後も症例収集を継続する。2018年度に膵IPMN 60例をターゲットとして、嚢胞内容液のT1ρ値とT2値が悪性度の予測に役立つかを検討した。結果として、T1ρ値よりもT2値の方 が悪性度の診断能に有用である結果が得られた。IPMNを形態学的悪性度に準じてhigh-risk stigmata, worrisome features, othersに分類したところ、T2値は悪 性になるに従って高くなった。また組織が得られた症例21例に限定すると、intermediate grade dysplasiaはlow grade dysplasiaに比較してやはりT2値が高 かった。T1ρ値には有意差は見られなかった。
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