本研究は、グローバルな脳活動―脳血流量―脳温度の関係をMRIのみを用いて計測する手法を開発を目的とした。脳の状態観測指標を新たに提供し、加齢等に伴う脳機能・活動の変化を簡便に捉えることを目標とした。脳深部温度計測に影響を与える計測手法の調査を行い、DWIとMRSにより得られた脳温の関係からCSF流速の影響を健常者100名で計測した結果をまとめた。脳温をCSFの最大流速時と最小流速時およびランダムに撮像したDWIから計算し、比較することによりCSFの流れの影響を検証した。CSF流速の影響は限定的であり、流速の大小、ランダムさによらずDWIから計算した脳温度を利用できることが分かった。
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