研究課題/領域番号 |
17K10415
|
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
三木 幸雄 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (80303824)
|
研究分担者 |
米田 哲也 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 准教授 (20305022)
酒井 晃二 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20379027)
坂本 真一 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (40464648)
河邉 讓治 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (60295706)
下野 太郎 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (70340817)
嶋田 裕之 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 特任教授 (90254391)
伊藤 義彰 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (90265786)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 磁気共鳴画像 (MRI) / アルツハイマー病 / アミロイド / 脳温度 |
研究実績の概要 |
位相差強調MRI (phase difference enhanced imaging; PADRE) によりMRIでのアミロイド描出が可能であること、MRI拡散強調画像を基に脳温度の計測が可能であることは、私たちが先行研究にて明らかとしたことである。私たちはこれまでに世界にさきがけて、PADREを用いてマウスの脳に沈着したアミロイドの描出に成功した。また、多発性硬化症慢性期の脳代謝の低下が脳温度の低下と相関することを世界で初めて示すとともに、健常女性における脳温度と体温との関係をも明らかにした。 本研究は、これらのMRI技術をアルツハイマー病患者に適用し、アルツハイマー病の病態解明および臨床的早期診断法の開発を目指すものである。本年度はデータ収集がメインの段階であり、本研究に関しては実績の形にはまだなっていない。しかし、「現在までの進捗状況」でも述べるように、健常高齢者およびアルツハイマー病患者を対象として、PADREおよび拡散強調画像を含むMRIの撮像、アミロイドPETの撮像、Mini Mental State Examination (MMSE) を含む認知症検査を行い、本研究に必要なデータを予定通りに集積することができた。また、本研究に関係する研究者が会してのミーティングを数度にわたって開催し、データ処理および解析方法の検討を進めた。以上のように、本年度は、次年度以降の実績に着実につなげられる期間となった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在、健常高齢者およびアルツハイマー病患者を対象として、PADREおよび拡散強調画像を含むMRIの撮像、アミロイドPETの撮像、MMSEを含む認知症検査を行い、画像および臨床データを収集している段階である。これまでに、アミロイドPET陰性の健常高齢ボランティア10名およびアミロイドPET陽性のアルツハイマー病患者7名のデータを取得した。 また、PADRE開発者の米田や拡散強調画像による脳温度計測を実用化した酒井 (ともに分担研究者) を交えて、数度にわたるミーティングを重ね、データ処理および解析方法のディスカッションを行なった。
|
今後の研究の推進方策 |
アミロイドPET陽性のアルツハイマー患者のMRIおよび臨床データをさらに数例取得する予定である。症例集積が終了した段階で、以下の2項目の解析を行う。 1.PADREでのアミロイド描出処理を、研究分担者の米田が行う。得られた処理画像とアミロイドPETとの対比を行い、MRIによるアミロイド検出能を検討する。 2.拡散強調画像を基にした脳温度計測処理を、研究分担者の酒井が行う。得られた値を、健常高齢者およびアルツハイマー病患者とで比較するとともに、臨床所見とも対比することで、アルツハイマー病の罹患および進行に伴う脳温度の変化を明らかとする。
|
次年度使用額が生じた理由 |
現時点ではデータを集積中であり、大幅な解析には至っていないため。
|