研究課題/領域番号 |
17K10420
|
研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
青木 隆敏 産業医科大学, 医学部, 准教授 (40299631)
|
研究分担者 |
興梠 征典 産業医科大学, 医学部, 教授 (60195691)
金 亨燮 九州工業大学, 大学院工学研究院, 教授 (80295005)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 骨強度 / 画像診断 / トモシンセシス / エックス線画像 / 骨粗鬆症 |
研究実績の概要 |
日常診療の骨粗鬆症診断基準では,2重エネルギーエックス線吸収測定法(DXA)による骨密度が用いられるが,骨密度測定のみでは骨折リスクを十分に予測し得ない。本研究の目的は「トモシンセシス画像を用いた新しい骨構造解析法」をもとに、簡便かつ精度の高い骨折リスク評価法を確立することである。 本年度は、大腿骨頸部のトモシンセシス像に関心領域を設定し、2値化処理および細線化処理などの画像処理を行って、関心領域内の骨梁テクスチャーパラメーターを解析した。CTデータを用いた有限要素解析によって骨破断強度を求め、骨梁テクスチャーパラメーターとの相関性を評価した結果、DXAで求めた骨密度に、トモシンセシス像から得られた複数の骨梁パラメーターを加えることで、骨強度との相関は有意に向上した。また、従来の臨床的な骨折指標と比較した場合も、骨密度にトモシンセシス像から得られた複数の骨梁パラメーターを加えた骨折予測指標の方が骨強度との相関が高かった。トモシンセシス画像を用いた骨梁解析を行うことによって、DXAでは得られない骨質の情報を求めることができると考えられた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
トモシンセシス画像を用いた新しい骨梁テクスチャーパラメーター解析法を実現化し、CTデータを用いた骨強度との相関を評価した。その結果、2重エネルギーエックス線吸収測定法(DXA)で求めた骨密度に、トモシンセシス像から得られた複数の骨梁パラメーターを加えることで、骨強度との有意な相関性向上が認めらることを確認した。
|
今後の研究の推進方策 |
原発性骨粗鬆症,糖尿病,膠原病,慢性腎臓病など,骨折のリスクが上昇する病態について、トモシンセシス像から得られる骨梁パラメーターと骨強度との関連性を評価する。これにより、各病態の骨強度予測におけるトモシンセシス像から得られる骨梁パラメーターの有用性を明らかにする。
|
次年度使用額が生じた理由 |
海外出張旅費が予定よりも安価であったため。研究成果を発表するための出張旅費の一部として使用する。
|