研究課題/領域番号 |
17K10421
|
研究機関 | 公益財団法人実験動物中央研究所 |
研究代表者 |
畑 純一 公益財団法人実験動物中央研究所, ライブイメージングセンター, 研究員 (00568868)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 磁気共鳴画像法 / パルスシーケンス / 拡散強調画像 / 制限拡散 / q-space imaging / 骨格筋 / 拡散時間 / 超高磁場MRI |
研究実績の概要 |
骨格筋線維は速筋線維と遅筋線維のタイプに分類でき,収縮特性,ミトコンドリア容量,エネルギー機構など幾つかの異なった構造・機能をもっている。その中 の一つとしAQP4発現の差がある。本研究では、骨格筋QSIにおける拡散計測用傾斜磁場を多段階的に可変させ応用することで、拡散変異分布は正規ガウス分布か ら非ガウス分布へと変化させ、分布の変化速度より細胞膜内外間における水分子交換量を計測でき、骨格筋アクアポリン4の機能動態計測法は開発することにある。 この目的を達成するために本年度は,前年度、開発を行ったプログラムにて実験を行った。結果、アクアポリン4の影響だけでなく、細胞径の影響も大きく受けることが判明した。この影響を取り除くためには拡散時間を可変とさせたデータを追加し、これまでのデータセットよりさらに1次元増やした解析が必要と判断した。このためのパルスプログラム、解析アルゴリズムの開発を本年は行った。結果、理論的にではあるが細胞径に依存せず、アクアポリン4の機能動態を観測可能な実験パルスプログラムと解析アルゴリズムを構築した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度の研究計画として、大きく分けると①前年度開発したパルスプログラムを用いた動物実験、②精度がより高い解析を行うための実験パルスプログラムと解析アルゴリズムの構築、が主として挙げられる。どの項目に関しても順調に進展し達成してはいるが、当初計画より1次元分のデータ追加を必要と判断し開発を進めたため、当初計画と比べるとやや遅れている。しかしながらこの発見はずアクアポリン4に関する知見の取得、マウス骨格筋の筋組成に対する知見の獲得と来年度以降へ大きく繋がる研究結果と進展になった。
|
今後の研究の推進方策 |
現状では、開発項目を一つ増やしたため当初計画よりやや遅れている。来年度は新たな開発手法にて、マウスの下腿部骨格筋におけるAQP4機能動態計測を早々に開始する。また、開発した次世代型のQSI法による計測データと比較し、アクアポリン4との妥当性の評価を行う。仮説通りのデータが得られるかどうかは来年度の実験結果によるが、実験のための環境、手法開発は終わっているため、早々に実験を開始し、大規模データ解析に取り組むことで、年度内には実験を完結し、公開する計画である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
来年度進める解析プログラム開発の事前準備とし、大容量データ解析に耐えうるPCの購入をし環境設定を進める案を練っていたが、追加で開発を要したため、本年度は開発に専念し、次年度へ購入計画を延期した。また、MRI動物計測と大容量データ解析に関する人件費も本年度は動物実験を延期したため不要となった。来年度早々に動物実験と解析を行うため、次年度の人件費へ充て、実験を早々に進める計画である。
|