研究課題
骨格筋線維は速筋線維と遅筋線維のタイプに分類でき,収縮特性,ミトコンドリア容量,エネルギー機構など幾つかの異なった構造・機能をもっている。その中の一つとしAQP4発現の差がある。本研究では、骨格筋QSIにおける拡散計測用傾斜磁場を多段階的に可変させ応用することで、拡散変異分布は正規ガウス分布から非ガウス分布へと変化させ、分布の変化速度より細胞膜内外間における水分子交換量を計測でき、骨格筋アクアポリン4の機能動態計測法は開発することにある。この目的を達成するために本年度は,この二年間にて発見した知見を元に開発したMRIパルスプログラミング、解析手法を用いた動物実験を行なった。具体的に、従来用いられている生体3次元拡散MRIに拡散方向性を加味した多軸計測、拡散制限性を加味した制限計測、仮説である水分子の細胞膜透過を加味した膜透過量計測の3情報を追加した6次元拡散MRI計測をマウス骨格筋を対象として行なった。これらを解析することで、骨格筋細胞の構造とその機能の解明を目指した。結果、前年度発見した知見とそれに基づく仮説通り、細胞の制限構造とアクアポリン4などの水分子の細胞膜透過機能を区別し可視化することができた。この開発と発見は非常に興味深く、骨格筋のみならず生体における疾患解明や機能解析に貢献することができる新規技術開発となった。
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