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2017 年度 実施状況報告書

PET用低酸素イメージング薬剤であるFMISOを用いた心サルコイドーシスの評価

研究課題

研究課題/領域番号 17K10425
研究機関北海道大学

研究代表者

真鍋 治  北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (40443957)

研究分担者 納谷 昌直  北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20455637)
大平 洋  北海道大学, 大学病院, 助教 (20528301)
孫田 惠一  北海道大学, 大学病院, 主任診療放射線技師 (20636419)
真鍋 徳子  北海道大学, 大学病院, 講師 (70463742)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードPET / 心臓サルコイドーシス / FDG / FMISO
研究実績の概要

サルコイドーシスは未だ原因不明の疾患であるが、特に心臓サルコイドーシスは、致死的不整脈や心不全の原因となる。早期に正確な診断が必要であり、現在、その一角を果たすのが、Positron Emission Tomography (PET)であり、F-18-fluorodeoxyglucose (FDG) を用いたPET検査は2012年4月から保険適用検査となっている。
炎症性疾患では、病巣部にマクロファージ、顆粒球、リンパ球等の炎症性細胞が多数遊走され、エネルギー源としてブドウ糖を消費する。FDGはブドウ糖の類似体であるため、ブドウ糖と同様に細胞内に取り込まれ、活動性の高い炎症性病変に集積亢進を示す。心臓サルコイドーシス病変の検出・治療効果判定・再発評価に有用であると考えられている。
一方で心筋細胞はそのエネルギー源の一部にブドウ糖も利用することができるため、ブドウ糖類似体であるFDGも正常心筋に生理的に集積し、偽陽性の原因となりうることが分かっている。よってFDG以外の心筋に生理的集積を生じないトレーサーが切に望まれている。我々は低酸素イメージングPET薬剤であるF-18-fluoromisonidazole (FMISO)に着目した。FMISOは、主に腫瘍の低酸素領域を評価する目的で使われているトレーサーで低酸素状態では、ニトロイミダゾール環のニトロ基がアミノ基に還元され低酸素細胞内に取り込まれる。我々は1例のみであるが、心サルコイドーシスにFMISOが集積した例を経験し報告しており、。サルコイドーシス病変にもFMISOが集積する可能性がある。また、心筋には生理的集積が見られないと予想されている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度はFMISO PETを用いた心臓サルコイドーシスの評価を行うため、前向き臨床研究として計画書を作成し、倫理委員会に認められた。共同研究者である内科の医師達と相談し、現在、患者のリクルートを開始している。
また、心臓サルコイドーシスの病変範囲を定量的評価方法を確立するため、FDG PETを用いた心臓への集積に関する検討について論文化し、2017年12月にJournal of Nuclear Cardiologyにアクセプトされている(J Nucl Cardiol. 2017 Dec 14. doi: 10.1007/s12350-017-1122-6.)。

今後の研究の推進方策

今後は心臓サルコイドーシスが疑われる患者に検査を行っていき、PET/CTのCTや同時期に撮像されたFDG PETとの比較により、FMISOが全身のサルコイドーシス病変に集積するかどうかを評価する。
また、同時期に撮像されたFDG PETや造影MRIとの比較を行い、FMISO PETによる心臓サルコイドーシスの診断能を評価する。特に偽陽性が出ないことを確認したい。
FDG PETではステロイドによる治療効果や再発病変の早期評価が可能であったが、FMISO PETでも同様に評価が可能かどうか治療前後での検討を行う。
視覚的評価の他、standardized uptake value (SUV)を用いた集積程度の半定量的評価や集積範囲をvolume(ml)で定量するための最適な域値の設定を行う。FDG PETの集積程度とFMISO PETの集積程度、病変のサイズなどに関係があるかを評価する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Volume-based glucose metabolic analysis of FDG PET/CT: The optimum threshold and conditions to suppress physiological myocardial uptake2017

    • 著者名/発表者名
      Manabe Osamu、Kroenke Markus、Aikawa Tadao、Murayama Atsuto、Naya Masanao、Masuda Atsuro、Oyama-Manabe Noriko、Hirata Kenji、Watanabe Shiro、Shiga Tohru、Katoh Chietsugu、Tamaki Nagara
    • 雑誌名

      Journal of Nuclear Cardiology

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • DOI

      10.1007/s12350-017-1122-6

    • 査読あり / 国際共著

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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