研究課題/領域番号 |
17K10431
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
高瀬 圭 東北大学, 医学系研究科, 教授 (60361094)
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研究分担者 |
清治 和将 東北大学, 大学病院, 講師 (50400247)
中村 保宏 東北医科薬科大学, 医学部, 教授 (80396499)
佐藤 文俊 東北大学, 医学系研究科, 特任教授 (70343051)
森本 玲 東北大学, 大学病院, 講師 (30547394)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 原発性アルドステロン症 / 高血圧 / ラジオ波焼灼術 / 血管造影 / IVR / 静脈サンプリング |
研究実績の概要 |
CTガイド下穿刺焼灼不可能なアルドステロン産生腺腫に対しては経静脈的肝生検技術を応用して腺腫を焼灼することを目的とする。昨年はマイクロバルーンによる化学的焼灼と軟性ラジオ波焼灼針の双方を検討したが、焼灼性能の安定性からラジオ波焼灼に研究を限定する方針とした。軟性ラジオ波焼灼カテーテルのスパイラルカット法を改善し、柔軟度の高いカテーテル開発に成功した。ゲルモデルでの焼灼性能も改善し、直径15mmの焼灼範囲を確保できるようになったことから、臨床的に副腎微小機能性腺腫への応用が可能と考えられた。 ウシ摘出副腎での焼灼性能確認にても、15mm程度の焼灼が可能であり、脂肪成分を含む組織での焼灼性能を有すると考えられた。 上記改良ディバイスにて、ブタ生体を用いての左副腎静脈焼灼実験を行った。焼灼カテーテル挿入用に形状を工夫したガイディングカテーテルを通して、マイクロガイドワイヤーを用いてのover-the wire 法を用いることで、初期型カテーテルよりも安定して副腎静脈内にカテーテルを到達させ、ブタ副腎の全幅を焼灼することが可能であった。 副腎焼灼時のカテコールアミンリリースによる血圧上昇対策として、αブロッカーを用いての血圧コントロールプロトコール作成のための検討も開始した。 放射線科医によるカテーテル操作性実験では、人体での副腎静脈を模した血管モデルでは、改良型カテーテルは10分以内に左副腎静脈内に到達可能であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
経静脈的焼灼ディバイスについて、昨年課題とした副腎静脈到達性能向上のためのカテーテルデザイン改良を行うことが出来た。 改良型焼灼カテーテルにおいて、より高い副腎静脈到達性能を有しながらも、ほぼ目標とする焼灼範囲を不活化することが可能であった。 より確実な焼灼のために、焼灼範囲を、安全域を持って増大させることが課題である。
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今後の研究の推進方策 |
臨床使用に向けて、さらに広範囲の焼灼性能を達成するための機器改良と実験を行う。 また、焼灼中の血圧安全性についての術中投薬プロトコールを確立させるためのより詳細な実験を行う。 臨床研究あるいは治験開始に必要な各種電気的安全性試験、ディバイス安定性試験を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由:改良型経静脈的焼灼ディバイスによる副腎到達性能が、予想よりも早期に左副腎静脈への到達性能改善を達成できたために、当初の予定よりも実験回数を少なくできたことが原因である。また、ガイディングカテーテルも改良型カテーテルに適合し、繰り返す開発と実験のサイクルを省略出来たことも原因である。
使用計画:臨床応用に向けての、さらに検証的な実験の施行費用に使用予定である。臨床研究施行のための、各種安全性、安定性試験を施行予定である。学会での成果発表にも使用予定である。
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