研究課題/領域番号 |
17K10439
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
櫻井 淳 岡山大学, 岡山大学病院, 准教授 (30444657)
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研究分担者 |
平木 隆夫 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (50423322)
亀川 哲志 岡山大学, 自然科学研究科, 講師 (80432623)
松野 隆幸 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (50377842)
金澤 右 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (20243511)
松井 裕輔 岡山大学, 大学病院, 医員 (50614351)
小牧 稔幸 岡山大学, 大学病院, 医員 (40795548)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | CTガイド下針穿刺 / ロボット / 3次元穿刺 |
研究実績の概要 |
CT透視ガイド下穿刺ロボットを使って3次元穿刺をする場合、針の位置姿勢をCT透視により確認できない状況で穿刺をするためターゲティング時の精度が重要となる。 ロボットが空間内の指定された位置姿勢に針を誘導する際に、ロボットの各関節がなすべき位置や角度を逆運動学を使って解くことが一般的である。しかしながら、逆運動の計算をする際のロボットの構造的なパラメータ(運動学パラメータ)に誤差があると、精度の高いターゲティングを達成することができない。そこで、一般的なロボットの構造的なパラメータを補正するキャリブレーションの手法を我々のロボットにも適用し、運動学パラメータの補正を行った。 次にロボット保持している針先をCTスキャン画像から特定し、複数のロボット動作後にそれぞれ取得することでCTガントリー平面に対するロボット設置の垂直度を取得し補正する手法を提案した。同様に、ロボットの初期状態においてCTガントリーとロボットの保持している穿刺針が垂直となるように、CT画像の針の姿勢情報を基にロボットの初期関節角度を補正するアルゴルリズムを提案した。 さらに、3次元穿刺中の針の軌道追従手法に関する検討も行った。目標の経路と現在の針の位置姿勢が分かれば、目標の経路の追従するようにロボットを制御することができる。ただし、患者被ばくの観点から、針の状況確認のためのCT透視はあまり多用しないことが望ましい。そこで、現在の用手による手技において、放射線医師がどのようなタイミングで針の軌道修正を行うかについて実験中のデータを解析し、軌道追従制御方策の参考にした。 2017年度第3四半期に、ロボットによる3次元穿刺の実行可能性を、ブタを用いた予備試験を実施して確認した。穿刺角度を変えて合計8回3次元穿刺を行い、針先と標的中心間の距離は2.4±0.5mm(平均値±SD)と高い精度で穿刺することが可能であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2017年度に施行した予備試験結果をもとに、2018年度に実施予定の「人の手とロボットによる3次元穿刺の穿刺精度比較試験(ファントム)」及び「動物におけるロボットによる3次元穿刺の実行可能性及び穿刺精度の評価試験」のプロトコルを現在作成中である。2018年度第1四半期に、改良されたロボットアームを用いた3次元穿刺の予備試験を実施予定である。予備試験の結果を解析し、上記試験プロトコルを修正、フィックスする。2018年度中には本試験を実施できる見込みである。当初の研究計画から大きな遅れは無く、おおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題は現在順調に進行中である。研究計画変更の必要性はない。2018年度のできるだけ早期に改良ロボットアームを用いた予備試験を実施し、本試験のプロトコルをフィックスする。
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次年度使用額が生じた理由 |
動物愛護の観点から、今年度の動物試験はパイロット試験のみとし、2018年度以降に非臨床試験としてのプロトコルを確定し、本試験を実施することとなった。従って、2017年度に予定していた動物試験実施費用が次年度に繰越となる。
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備考 |
本プロジェクトでは、2012年から遠隔操作でCTガイド下に針刺入を行うロボット(Zerobot)の開発を行っています。医師はCT装置から離れて治療ができるため、医師の被ばくはほぼZeroになります。
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