研究課題/領域番号 |
17K10443
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
宮川 正男 愛媛大学, 医学部附属病院, 特任教授 (90346685)
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研究分担者 |
望月 輝一 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (80145094)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | FDG PET/CT / 心房細動 / 炎症細胞 / 剖検心 |
研究実績の概要 |
FDG PET検査において、心房細動(AF)患者における心臓へのFDGの集積の部位および頻度と集積に関連する因子を検討した。PET/CTを撮影した連続8,181例中、AFを有しかつ絶食時間が12時間以上であった137例をAF群、年齢および性別を一致させた62例を対照群とした。両心房、左室のstandard uptake valueの最大値:SUVmaxとtarget/background ratio(TBR)を測定して群間比較した。両心房のSUVmaxおよびTBRは、対照群よりも大きかった(p <0.0001)。視覚法による特異度は95%、陽性的中率は97%と拾い上げ診断に適していた。臨床項目やエコーによる心房面積など全35項目から有意差がついた12項目による多変量解析を行なったところ、弁膜症ありと右心房のSUVmaxがAFの予測因子とされた。また、発作性および慢性AFの二群に分類すると、心房集積は慢性群で有意に高度だった。AF治療後症例の検討では、心房への集積が消失する症例が見られた。PETを撮影後死亡して剖検された4名において、集積のあった左心耳と右心房壁を病理学的に検討した。心房の集積部位に種々の程度の炎症細胞浸潤が認められた。上記内容を、学会発表および論文:Watanabe E, Miyagawa M,et al. Positron emission tomography/computed tomography detection of increased 18F-fluorodeoxyglucose uptake in the cardiac atria of patients with atrial fibrillation.Int J Cardiol. 2019;283:171-177. として海外学会誌open accessに投稿してacceptされた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国内外の学会発表および論文:Watanabe E, Miyagawa M,et al. Positron emission tomography/computed tomography detection of increased 18F-fluorodeoxyglucose uptake in the cardiac atria of patients with atrial fibrillation.Int J Cardiol. 2019;283:171-177. として海外学会誌open accessに投稿してacceptされた。
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今後の研究の推進方策 |
予後の調査を開始したところ、対象患者のうちFDG PETを撮影後死亡して剖検所見のある4名を発見し、集積のあった左心耳と右心房壁の病理学的検討を施行した。両心房のFDG集積部位周囲に種々の程度の炎症細胞浸潤が認められた。症例を重ねて引き続き検討したい。また、アブレーション、薬物療法などAFの治療後の症例を検討したところ、治療成功後に心房へのFDG集積が消失する症例のあることが判明した。症例を重ねて引き続き検討したい。加えて、論文査読時に指摘された点、すなわち心房細動がないにもかかわらず心房への集積が更新している症例を追跡して、心房細動が出現しないかどうかを多数例で前向きに検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究は予定通りに進んだが、残額に端数を生じた。次年度に研究用PCの購入費用の一部として使用する予定である。
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