研究課題
PET/CT検査において、心房細動(AF)患者における心臓へのFDGの集積の部位および頻度とその集積に関連する因子を検討した。愛媛大学附属病院にて、主に悪性腫瘍診断を目的にFDG PET/CTを撮影した連続8,181例中、検査施行時にAFを有し、かつ絶食時間が12時間以上であった137例をAF群とした。対照群は、糖尿病、心手術歴、化学放射線治療歴、炎症性心疾患のない、年齢および性別を一致させた62例を選択した。PET/CT重ね合わせ像(fusion)画像において、両側心房、左室の関心領域中のstandard uptake value (SUV)の最大値:SUVmaxとtarget/background raio (TBR)を測定して両群間で比較した。両心房SUVmaxおよびTBRは、対照群よりも大きかった(p <0.0001)。視覚法による特異度は95%、陽性的中率は97%と拾い上げ診断に適していた。臨床項目やエコーによる心房面積、動脈の石灰化スコアなど全35項目から両群で有意差がついた12項目による多変量解析を行なったところ、弁膜症ありと右心房のSUVmaxがAFの予測因子として選定された。また、発作性心房細動群と慢性心房細動群の二群に分類したところ、心房への集積度は慢性群で有意に高度だった。剖検心の病理学的検討(pilot study)では、両心房のFDG集積部位周囲に種々の程度の炎症細胞浸潤が認められた。アブレーションなどのAFの治療後の症例を検討したところ、治療成功後に心房へのFDG集積が消失する症例のあることが判明した。対象患者のうちFDG PETを撮影後死亡して剖検所見のある4名を発見し、集積のあった左心耳と右心房壁の病理学的検討を施行した。両心房のFDG集積部位周囲に種々の程度の炎症細胞浸潤が認められた。
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