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2018 年度 実施状況報告書

分子イメージングによる腫瘍不均一性の評価法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K10445
研究機関九州大学

研究代表者

佐々木 雅之  九州大学, 医学研究院, 教授 (40240907)

研究分担者 藪内 英剛  九州大学, 医学研究院, 教授 (70380623)
有村 秀孝  九州大学, 医学研究院, 教授 (20287353)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードPET / 腫瘍 / 不均一性 / テクスチャ解析 / 分子イメージング / radiomics
研究実績の概要

PET画像の不均一を評価するためのradiomics解析プログラムをMatlabを用いて作成した。global解析はSUVヒストグラム解析の3特徴量、regional解析はランレングス行列の13特徴量とサイズゾーン行列の13特徴量、local解析は濃度共起行列の9特徴量とネイバフッドデファレンス行列の5特徴量、の計43特徴量である。
基礎実験として、PET装置で実測するための模擬ファントムとコンピュータ上のシミュレーションのためのデジタルファントムを作成した。模擬ファントムは、均一および二層構造の球ファントムに18F溶液を封入した。デジタルファントムは3x3cmを15x15ピクセルに分け、全ピクセルが同濃度の均一モデル、異なる濃度がモザイク状・縞状・島状・輪状に分布する不均一モデルを作成した。
呼吸性移動の影響を検討するために模擬ファントムを振幅2cmで往復運動させた。この結果、静止状態では8特徴量、移動状態では2特徴量で均一と不均一を区別できた。よって、一部の行列が移動の影響を受けにくいことが明らかになった。
画像のボケの影響を検討するために、デジタルファントムを用いてガウシアンフィルター半値幅を変えた画像を解析した。この結果、均一と不均一を区別できた特徴量は、フィルタなしでは19特徴量、半値幅6mmでは15特徴量であり、半値幅の変化の影響は行列によって異なった。よって、ガウシアンフィルターの違いは解析結果に影響し、その程度は行列ごとに異なることが明らかになった。
radiomics解析の多くの特徴量の解析に用いるヒートマップの有用性をデジタルファントムを用いて検討した。この結果、サイズゾーン行列は同一濃度の領域の大きさを反映し、ランレングス行列はある特定方向の同一濃度のピクセル数を反映し、濃度共起行列は隣り合うピクセルの濃度差を反映することが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

radiomicsによる不均一性解析の中で主な解析法は実施可能となった。しかし、臨床画像に適応するためのプログラミングが一部完成していない部分がある。

今後の研究の推進方策

不均一性解析のプログラムの中で未完成な部分、特に臨床PET/CT画像に適応するための部分の作成を進める。
模擬ファントムとデジタルファントムは、さらに異なるパターンを追加作成し、それぞれの解析法で判別可能なパターンを明らかとする。
過去にPET/CT検査を実施しかつ診断が確定している悪性腫瘍症例のPET画像に対して、不均一性解析を行う。解析結果と病理学的特徴と分子生物学的特徴の対比を行い、不均一性解析の臨床的有用性を検討する。

次年度使用額が生じた理由

物品費が予定よりも安価にできたため、次年度使用とした。
このため次年度に翌年度分と合わせて、研究の推進、研究成果のとりまとめおよび発表に使用する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] Influence of respiratory motion on radiomics analyses of intratumoral heterogeneity in PET/CT imaging2018

    • 著者名/発表者名
      Toshiki Takeshita, Taiki Magome, Keishin Morita, Yuji Tsutsui, Kazuhiko Himuro, Shingo Baba, Masayuki Sasaki
    • 学会等名
      第74回 日本放射線技術学会総会学術大会
  • [学会発表] Influence of a Gaussian filter on the evaluation of the PET heterogeneity2018

    • 著者名/発表者名
      Ayano Shoji, Keishin Morita, Toshiki Takeshita, Yuji Tsutsui, Kazuhiko Himuro, Shingo Baba, Masayuki Sasaki
    • 学会等名
      第74回 日本放射線技術学会総会学術大会
  • [学会発表] A Gaussian filter influenced the evaluation of heterogeneity on PET images2018

    • 著者名/発表者名
      Ayano Shoji, Keishin Morita, Toshiki Takeshita, Naoki Hashimoto, Saki Kimoto, Yuji Tsutsui, Kazuhiko Himuro, Shingo Baba, Masayuki Sasaki
    • 学会等名
      65th Annual Meeting, Society of Nuclear Medicine and Molecular Imaging
  • [学会発表] ヒートマップを用いたPET不均一集積とテクスチャー特徴量の関係2018

    • 著者名/発表者名
      庄司彩乃、守田圭伸、橋本直樹、竹下利貴、木本沙希、筒井悠治、氷室和彦、馬場眞吾、佐々木雅之
    • 学会等名
      第38回日本核医学技術会総会学術大会

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公開日: 2019-12-27  

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