研究課題/領域番号 |
17K10460
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
U・Winn Aung 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 分子イメージング診断治療研究部, 主任研究員(任常) (70392214)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 膵癌 / 光免疫療法 / 核医学(PETを含む) / 蛍光イメージング / 分子イメージング |
研究実績の概要 |
難治性がんの筆頭である膵臓がんの治療選択肢はまだ制限されている。外科手術、アジュバント化学療法と放射線療法などは、満足な結果を与えるのに十分ではない。新しい治療法である 光免疫療法 (Photoimmunotherapy (PIT)) を放射免疫療法(Radioimmunotherapy (RIT))又は化学療法などで適切な融合による新しい膵癌治療法の開発が解決に繋がる可能性があると考えられる。本研究の目的は、膵癌で高発現している分子を標的とした抗体に蛍光部分と放射性同位元素を別々に標識、又は両方を標識した後、膵癌モデルにおける単独や併用療法の効果を前臨床段階で評価することである。 29年度は、α6β4インテグリン標的放射免疫療法と BEZ235(PI3K/mTOR 同時併用阻害剤)の組合せによる抗腫瘍効果検討を行った。併用療法は、単独に比べ高い治療効果を示すことを明らかにし、得られた結果を纏めて国際雑誌に掲載した。一方、α6β4インテグリンを標的とした抗体に蛍光部分と放射性同位元素両方を二重標識して見たが効率の良いプローブがまだ得られない。それで、代わりに使えそうな他の候補標的分子と抗体などを検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
膵癌細胞株におけるα6β4インテグリン以外の特定の候補標的分子の発現をウェスタンブロッティング法や免疫蛍光検査方法などを用いて検討している。候補の抗体に蛍光部分(適切な近赤外(NIR)フルオロフォア)で標識したプローブの品質管理を実行している。蛍光スペクトルと吸収度の測定、フルオロフォア/抗体比率の計算、In vitroテストなどを行っている。光免疫療法(PIT)を行うためInfrared Diodeレーザーシステムを導入して予備的な実験などを行っている。
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今後の研究の推進方策 |
候補抗体に近赤外(NIR)フルオロフォアで標識したプローブを用いて小動物蛍光イメージングを行い、得られた画像解析からプローブの腫瘍への集積、集積の特異性、他の組織への分布、クリアランスなどを調べてからプローブの実用性を検討する。そして、膵癌モデルにおけるPIT療法の効果を前臨床段階で評価し、最適光免疫療法(PIT)プロトコルを確立する。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年中行う実験一部を少し先送りしました。 予定していた研究費を使用して実験や成果発表などを行う。
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