研究課題
浸潤性膀胱癌に対する免疫チェックポイント阻害剤を併用した新規膀胱温存療法の開発を目的とした多施設前向き臨床試験を2019年から3施設で開始し、これまでに14例を登録した。定期的に研究会を開催し、症例登録の推進と温存療法の普及のために、新規研究参加施設を募り、5施設で現在倫理審査中である。研究概要と注意事項の確認、および研究参加手続きに関する合同ミーティングを開催し、2020年6月から試験参加が可能となるように現在手続き中である。また、新規に腫瘍組織、血液サンプルを用いた放射線治療感受性バイオマーカーの探索を目的とした付随研究を開始した。本試験のプロトコール論文はContemporary Clinical Trials Communications、浸潤性膀胱癌に対する新規治療戦略に関する論文をJpn J Clin Oncolにそれぞれ投稿中である。免疫チェックポイント阻害剤と放射線の併用治療の良い適応と可能性を探索することを目的として生検組織に対する免疫組織化学染色を用いた検討を行った。検体の多い子宮頸癌の検体を用いて先行研究を行った結果、RhoA-ROCKシグナルが治療後の遠隔転移に関与することを解明した(J Radiat Res 2020)。次に、Rho、ROCK、p53に加えてPD-L1の転写・翻訳に関わるpSTAT1、pSTAT3、IRF-1、NF-κBp-EGFR、HIF-1αの染色条件を設定し、根治的な化学放射線療法を施行した浸潤性膀胱癌の生検組織を用いて、これらの分子とPD-L1の相関をオールインワン蛍光顕微鏡BZ-X800及びマルチスタックモジュールを用いて全体を撮影し、ハイブリッド・マクロセルカウントによる陽性率の算出して行い、治療成績への影響を解析中である
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 4件)
J Radiat Res. 2020
巻: 61 ページ: 221-230
10.1093/jrr/rrz093.