研究課題/領域番号 |
17K10475
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
沼崎 穂高 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (70403011)
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研究分担者 |
手島 昭樹 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), その他部局等, その他 (40136049)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 放射線治療 / データベース / がん登録 / 統計 |
研究実績の概要 |
クラウド型webデータベースシステムを構築した.先行研究(科研基盤C 課題番号: JP26461888)で構築中のデータ公開webシステムをさらに発展させた.システム内に蓄積されたデータからユーザーがデータを選択肢,自施設データと全国集計値と比較可能な設計とした. 放射線治療症例登録JRODソフトウェアの改良,技術支援を行った.JROD登録項目はJASTRO DB委員会で定期的に改訂作業を開始した.予後情報(生死の状況,有害事象,再発情報,続発がん情報)のデータ項目の見直しを重点的に行紆余低である.JRODソフトウェア利用施設からの要望に対応し,技術支援を行った. 放射線治療計画レビューシステムを構築中である.各放射線治療施設の放射線治療計画装置に蓄積されているCT画像を含めた放射線治療計画データを収集・閲覧可能なwebシステムを現在構築中である. IHE-J RO WG,治療RIS開発企業と連携して,JRODの登録項目の治療RIS装填状況を調査し,現状把握を行った.ほぼ全企業が治療RISにJRODの登録項目を標準搭載していた. 他がん登録とのデータ連携を行った.院内がん登録支援ソフトウェアHos-CanRとJROD登録ソフトウェアのデータ連携に関する技術開発を行った.臓器別がん登録に関しては,日本食道学会の食道癌全国登録ソフトウェアの改訂とJROD登録ソフトウェアとのデータ連携に関する技術開発を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
クラウド型webデータベースシステムを構築し,現在公開に向けた準備中である.症例登録ソフトウェアの改良,技術支援を継続的に行っている.現在,JASTRO DB委員会内にWGを立ち上げ,放射線治療症例登録JRODの項目の再検討を開始した.放射線治療計画レビューシステムを構築中である.放射線治療計画装置内のデータは各企業でフォーマットが異なる部分があり,現在画像表示の調整中である.調整終了後,システムを完成させ,公開に向けた準備を行う予定である. 治療RIS開発企業にJRODの登録項目の治療RIS装填状況を調査した結果,ほぼ全企業が治療RISにJRODの登録項目を標準搭載していることが分かった.今後JRODのデータ項目の見直しが終わり次第,治療RISの標準項目の改訂を行うようにJASTROとして依頼する予定である. 他がん登録(全国がん登録,院内がん登録,臓器別がん登録)とのデータ連携を継続して行った.日本食道学会の食道癌全国登録のシステム開発,データ収集,データ解析を担っており,2010年の食道癌症例に関するデータを公表した.
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今後の研究の推進方策 |
クラウド型webデータベースシステムの運用を行う.前年度に構築したクラウド型webデータベースシステムの運用を行う.数施設でのテスト運用にて,利用状況の把握と臨床現場からのシステム利用の意見の収集を行い,ユーザーが利用しやすいようにシステムの改良を重ねて研究計画年度内の運用を目指す. 全国登録ソフトウェアの改良,技術支援を継続する.前年度に引き続き,JROD登録ソフトウェアの不具合やカスタマイズの報告を受け,更新作業を継続する.データ登録施設に対する整備支援を継続する. 放射線治療計画レビューシステムの運用を行う.前年度に構築した放射線治療計画レビューシステムの運用を行う.上記クラウド型webデータベースシステムと同様にテスト運用後の本格運用を計画している.本システムで収集されたデータによって,現在JRODで収集している症例データを補完することが可能となる. 既存の治療RISから全国登録データの抽出が可能となる機能を搭載するように治療RIS開発企業に働きかける.JROD登録項目の療RISへの填治作業を継続する. 他のがん登録(全国がん登録,院内がん登録,臓器別がん登録)システムとのデータ連携の技術開発とテストデータを用いたデータ連携実験を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
人件費・謝金に関して,今年度多くのデータ入力作業が必要であったため,予定よりも多い支出となった.物品費に関しては,システム構築のための物品が予定より多くなったため,予定よりも多い支出となった.当初予定よりシステム開発のための打ち合わせやシステム整備支援のための旅費が多くなった.旅費に関しては,発表を予定していた研究打ち合わせ・学術大会が近場であったことから,予定よりも少ない支出となった.その他に関しては成果としての論文投稿を現在作業中であり,投稿のための費用分だけ少ない支出となった. 今年度も人件費・謝金は発生する予定であり,また成果報告を積極的に行うため,旅費・その他(論文投稿費用等)が多く発生する予定である.次年度使用額で発生した金額をそれに充てることを計画している.
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