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2018 年度 実施状況報告書

分子イメージングを用いた局所進行非小細胞肺癌に対する新規治療戦略

研究課題

研究課題/領域番号 17K10479
研究機関徳島大学

研究代表者

生島 仁史  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (90202861)

研究分担者 近藤 和也  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (10263815)
工藤 隆治  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (10263865)
大塚 秀樹  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (30346605)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード同所移植性肺癌マウスモデル / PET/CT / 18F-FLT / 18F-FDG
研究実績の概要

最初に18F-3’-deoxy-3’-fluorothymidine (18F-FLT)の合成を行った.自施設のサイクロトロンを使用し,新規positron emission tomography (PET)プローブである18F-3’-deoxy-3’-fluorothymidine (18F-FLT)の合成を行った.本学では経験のない作業であったため初回は合成に失敗したが,専門的知識と技術を持つアドバイザーの支援を受けることで2回目以降は合成に成功し,研究に必要なプローブを作成できるようになった.
次に,同所移植性肺癌マウスモデル作成を行った.ひと肺癌由来の培養細胞株(A-549)を6週齢の雄性SCIDマウス20匹の肺へ移植し,同所移植性肺癌マウスモデル作成を行った.移植4週後より定期的に小動物用PET/CTを用いて移植部分のマウス肺CT画像を取得し,移植細胞生着による腫瘤形成の有無を評価した結果,同所性移植肺癌マウスモデルの作成に成功した.
次に小動物用PET/CTによる18F-FLT PETおよび18F-Fluorodeoxyglucose (18F-FDG)-PET/CTイメージングを行った.CTで腫瘤形成が確認されたマウスを移植成功と判断し,18F-Fluorodeoxyglucose (18F-FDG)と18F-FLTを投与しPETCTを撮像した.取得したマウス肺のPET/CTデータの画像解析を施行した結果,肺内の腫瘤への18F-FDGおよび18F-FLTの集積を確認した.また,プローブ集積度の定量的指標であるstandard uptake valueを算出し18F-FLTおよび18F-FDGの集積程度を比較することに成功した.
更に異なるタイプの細胞(FT-821)移植に取り組んだ.しかし,胸膜や皮下など肺外に腫瘤を形成してしまい,まだ成功に至っていない.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ひとつの細胞株(A-549)による同所性移植肺癌マウスモデルの作成に成功した後, 18F-FLTおよび18F-FDGによる腫瘍PET/CT画像データ取得にも成功した.しかし,この作業の後,小動物用PET/CT撮影装置の制御システムに故障が発生した.代替可能な装置が研究施設内に無いため,全体の研究を一時中断せざるを得なかった.装置の修理に時間を要し,研究の進行が約2ヶ月遅れた.
現在は小動物用PET/CT装置の制御システムの修理は終了し研究を再開している.研究再開後,増殖活性の異なる肺癌細胞株(FT-821)による同所性移植肺癌マウスモデルの作成に取り組んだが,移植を成功させることができなかった.細胞株(A-549)では移植に成功していたため,同じ手技と試薬,実験器具で2回目の移植を試みたが再度失敗に終わった.この失敗に対して,研究グループで討議した結果,熟練した移植技術を持つ他の研究者の助言と指導を求めるとともに,使用している試薬の変更と実験器具の新品への交換を行い3回目の移植を2019年4月第4週から行うこととしている.
遅延の最大の原因は,研究施設に既設されていた大型装置の予期せぬ故障であるが,修理を速やかに進めるための対応が不十分だったことや,代替装置を備えていなかったことが2ヶ月の研究遅延に繋がった.

今後の研究の推進方策

増殖活性の異なる肺癌細胞株(FT-821)による同所性移植肺癌マウスモデル作成失敗への対応策として,移植に熟練した研究グループ外の研究者からの助言と指導を受ける.また,使用する試薬の変更,実験器具の新品への交換,細胞移植タイミングの調整を行っていく.更に,6週齢のマウスから7週齢のマウスに変更を行うことで失敗のリスクを低減する方策をたてている.肺癌細胞株(FT-821)の3回目の移植は2019年4月第4週から行う予定である.
小動物用PET/CT装置の制御システムの故障が再度発生するようなことがあれば,同装置の取り扱い会社に対して代替機の提供を速やかに要請することで,研究の遅延が生じることのないよう対処する.

次年度使用額が生じた理由

研究施設に既設されていた大型装置の予期せぬ故障があった.修理を速やかに進めるための対応が不十分だったことや,代替装置を備えていなかったことが2ヶ月の研究遅延に繋がった.加えて,2種目の細胞の同所性移植モデル作成に2度失敗したことで研究の遅延を取り戻すことができなかった.年度内に予定していた,マウスモデル作成と2種類のトレーサーによるPET/CT撮影経費を使用できないまま年度を終了した.次年度は遅延した2か月分の研究過程で使用するはずであった経費を使用し研究を開始する.データ収集と解析を並行して行うことで研究の遅延を取り戻す予定である.

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公開日: 2019-12-27  

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