研究課題
高精度治療に適用可能な呼吸停止下照射システム開発で、これまでに(1)呼吸波形情報をリアルタイム画像として送信し患者側のウエアラブルディスプレイで受信するシステムを構築、(2)ガントリや寝台角度の制限や干渉を回避する無線接続機構への移行、(3)呼吸停止下の腫瘍位置の再現性の確認、標的体積やリスク臓器の偏位と線量分布への影響の検証、(4)本学IRB承認済みの臨床研究を実施した。特に、胃原発悪性リンパ腫に対する呼吸停止下にて線量集中性の高いノンコプラナー3D-CRT/IGRTを実施した。(2021年2月、論文発表済)(5)令和3年度は左乳癌に対する深吸気息止め下照射(DIBH)を開始、呼吸位相モニタリングにRGSC(Reapiratory Gating for Scanners)のブロックマーカーを右乳頭尾側に設置、IRマーカーを左胸壁に5箇所設置により、DIBH時(セットアップ時/照射中)のEPID/Cine modeにより照射位置精度を確認するプロトコールを確立し、6例の照射を実施した。令和4年5月の機器更新に伴い速やかに呼吸同期システムのupdateを図った。(1)左乳癌DIBH照射では従来の皮膚マーカー照合をExacTrac Dynamicによる体表面画像照合に置き換えた。施設更新後の7例においてEPID/Cine画像で接線方向のランドマーク位置の精度検証を行った。580回の測定で肋骨位置は平均値0.06cm±0.175(最大0.59/最小-0.48)、特異的に患者側の要因でズレ幅が大きい場合には休憩や息止のやり直しで修正可能となるようワークフローを確立した。結果として3mm以下のズレが殆どで2SDは全症例で5mmのPTV marginの範囲内となった。(2)肺癌など胸部疾患に対する呼吸同期/停止下での定位照射やIMRTは鋭意準備中であり、迅速な研究の推進に繋げたい。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件)
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