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2020 年度 実施状況報告書

体幹部放射線治療における呼吸性移動 -四次元アルゴリズム解析と治療法の標準化-

研究課題

研究課題/領域番号 17K10486
研究機関横浜市立大学

研究代表者

幡多 政治  横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (60285145)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード放射線治療 / 体幹部 / 呼吸性移動 / 呼吸同期
研究実績の概要

体幹部の強度変調放射線治療(Intensity-modulated radiation therapy, IMRT)での呼吸性移動による吸収線量の変化について、ファントムや呼吸同期プラットフォームなどを用いて検証を行った。
最初に、水ファントム内の標的となる疑似腫瘍(直径2cmの球体)の中心に線量計を設置し、このファントムを呼吸同期プラットフォームに固定した。次に、照射条件を強度変調による0度~180度までの時計回りおよび反時計回りの半周2回照射に設定し、1分間に10回の実際の呼吸に模した動きでファントムを移動させながら、振幅を10mm、15mm、20mmに順次延長して標的に照射を行った。その結果、標的中心の吸収線量の差は全て2%以内に収まり、標的中心では各振幅の線量の誤差が少ないことが分かった。続いてフィルムを使用し、同様の照射条件の下に測定を行った。当施設の実臨床におけるフィルム検証では、gamma indexが3mm/3%でパス率が90%以上を承認条件としている。この模擬的な呼吸運動下でのパス率は、振幅が10mmで97.1%、15mmで84.2%、20mmで78.7%と、振幅が増加するにつれてパス率の低下がみられた。
これらの結果より、IMRTにおいて呼吸により標的が移動しても、その移動距離が比較的短ければ、信頼性の高い照射が実践されることが示された。一方で、呼吸性移動が大きくなると(特に移動距離が10mmを超えると)、照射領域全体の正確な線量分布を担保できない可能性が示唆された。今後、さらに呼吸条件を変えながらデータを蓄積し、体幹部のIMRTにおける呼吸性移動の影響について検討を重ねていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新たに追加した分も含め、十分な基礎実験が必要と考えられたため。

今後の研究の推進方策

さらなる呼吸同期に関する基礎的な検証データの蓄積が必要であるため、引き続きファントムと呼吸同期プラットフォームを使った実験を続ける。

次年度使用額が生じた理由

一昨年度、本研究に使用してきた放射線治療システムが更新となり、実験の追加やデータの見直し等が必要になったため。

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公開日: 2021-12-27  

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