研究課題/領域番号 |
17K10488
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
山崎 秀哉 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50301263)
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研究分担者 |
古妻 理之 独立行政法人国立病院機構大阪医療センター(臨床研究センター), その他部局等, 研究員 (00641870)
吉田 謙 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (10463291)
酒井 晃二 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20379027)
増井 浩二 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20783830)
鈴木 弦 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80279182)
武中 正 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80626771)
清水 大介 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70453107)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 放射線治療 / 画像誘導小線源治療 / 子宮頸癌 |
研究実績の概要 |
子宮頸がんの画像誘導小線源治療の開発を行っている。まず当院で2014年9月から2019年1月にCT-MRI画像誘導小線源治療を根治的に施行した子宮頸癌47例の治療成績について検討したところFIGO病期I / II / III / IV ; 2 / 21/ 13 / 11の対象に対して照射法 腔内 / 腔内組織内 / 組織内 ; 25 / 7 / 15を施行し3年局所制御率95(FIGOII:III:IV=95%:91%:100%)3年全生存率78%(FIGOII:III:IV=68%:91%:100%)を得た。Grade3以上の非血液有害事象4人(9%:いずれもGrade3直腸出血、結腸穿孔、膣瘻、後腹膜線維症)であった。局所制御は良好な成績であり、組織内照射例では局所再発を認めていない。局所再発は腔内照射 1例、腔内・組織内照射併用1例に認めた。HRCTV D90の検討では腔内照射群で78(67.7-95.6)Gy,腔内照射+組織内照射群では76(72-79.5)Gy,組織内照射群では92.8(80.5-100)Gyで、我々の画像誘導を用いた組織内照射は明らかに従来の腔内照射単独に比してHRCTV D90が高く周囲の危険臓器への線量増加を伴わずに腫瘍線量の増加に成功しており、特にFIGO III, IV期の成績向上に寄与している。一方で照射野外の再発により一部の症例で生存率の低下が生じており、FIGOII期でも化学療法やPANへの予防照射などを考慮する必要があるかもしれない。 大阪医療センターのデータを追加して解析中であり、化学放射線治療開始前のGTVの体積、MRI Fusionされた治療計画の小線源治療前のGTVの体積、線量、について108人分のデーターを集積解析中である。 また小線源ゲル線量計測定用ファントム(水等価)に電離箱を挿入して絶対線量の測定、水と水等価ファントムの応答の違い等、物理的な測定を行った。実測値の検証のためにガラス線量計用の小線源ファントム用ガラス線量計ホルダーと、線源位置をリアルタイムで把握するための小線源ファントム用マイクロMOSFET線量計ホルダーを作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
画像誘導小線源治療症例数は順調に増えているが、本学分以外の大阪医療センターでの資料収集が若干遅れている。2014年から2019年までのデーターを整理解析して論文作成中である。また3Dゲルファントムでの実験データの発表を行う予定であったがコロナウイルスのため学会が延期されている。
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今後の研究の推進方策 |
大阪医療センターでのデータ収集を行い当院分に加えて臨床例の報告を行う(学会発表・論文化)。ガラス線量計や3Dゲルファントムを用いた実験結果を解析発表する(学会発表・論文化)。
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次年度使用額が生じた理由 |
多施設で行っているため、主たる施設である京都府立医大の許可が下りて症例を調査解析した後で、大阪医療センターでの臨床データ解析のための倫理委員会承認が時間がかかりようやく許可が下りた。 またファントム実験や、ガラス線量計・3Dゲル線量計による実験もようやくデータが出てきたがコロナウイルスの関係で学会が延期・中止されており発表が遅れている。 次年度にファントム実験や、ガラス線量計・3Dゲル線量計による実験結果と、他施設データを学会発表・論文発表sる費用に充当する。
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