本課題では、活性を高めたFGF1変異体の放射線小腸障害に対する防護効果、並びにマウス血管肉腫細胞株ISOS-1の放射線感受性および転移能に対する影響を検討した。その結果、高いFGF1の活性は、放射線小腸障害に対する防護効果を高め、ISOS-1細胞の放射線感受性増加と転移能抑制を示した。また、ヒト血管由来血管肉腫細胞IO-HASとヒトリンパ管由来血管肉腫細胞株MO-LASの放射線感受性を比較検討し、両細胞に有意な差を認めなかった。以上、高いFGF1活性は、血管肉腫に対する放射線治療において、副作用予防に対して有効であるとともに、腫瘍の悪性化に対しても抑制的に働く可能性が示唆された。
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