研究課題/領域番号 |
17K10504
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宮城 重人 東北大学, 大学病院, 准教授 (00420042)
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研究分担者 |
後藤 昌史 東北大学, 医学系研究科, 教授 (50400453)
戸子台 和哲 東北大学, 大学病院, その他 (50581641)
原 康之 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (50636008)
中西 渉 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 非常勤講師 (50636024)
宮澤 恒持 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (80757237)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | Muse細胞 / 心停止ドナーグラフト / 過小グラフト / 酸素化灌流 / 類洞微小循環 |
研究実績の概要 |
・多能性幹細胞のエリート集団であるMuse細胞の採取精製する技術は手技的に安定した。特にセルソーティングについては、従来FACSによるソーティングを行っていたが、出澤研究室の指導もあり今後の大量精製に向けて磁力を利用したMACSソーティングに移行し、効率を落とさずより簡便に採取精製することができるようになった。肝細胞への分化誘導は確認すみである。 ・次にラット及びブタによるマージナルドナーグラフト(死線期を経た心停止ドナーに温阻血30分をおいたモデル)+細胞ブースト移植実験に移行した。ブタについては手技を確立できたが、小動物であるラットの心停止グラフトは微小循環不全が起こりやすく安定したモデルの作成がかなり困難であった。このため、まずは正常肝の過小グラフト移植モデルを作成しこちらにMuse 細胞のブースト移植をするモデルに変更した。現在進行中であるが、30%過小グラフト肝移植モデルについてはほぼ安定して作成できるようになった。ブースト細胞数だが、Muse採取量に限界があるため、まずは小動物であるラットのみで10万、40万、100万個の移植細胞数での効果を見ていく。 ・前回科研費研究で既に手技的に確立されている、ブタ、マージナルドナー全肝グラフト(死線期を経た心停止ドナーに温阻血30分をおいたモデル)+細胞ブースト移植実験だが、Muse細胞数が足りないため継続断念しかけたが、まずは類洞環境改善効果を見るため移植前酸素化一時還流群を作成したところ、予想外にマージナルグラフト生着率が上がった。このためラットにおいても同実験系を作成し、メカニズム解明を急いでいる。今後このモデルをハイブリッド移植のベースとしMSC細胞ブースト移植をトライしていく(本来であればMuse細胞ブーストとしたいが、細胞数的にかなり困難であるため、まずは一度に多くの細胞数が揃えられるMSCで検討することとした)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
・セルソーティングについては、従来FACSによるソーティングを行っていたが、出澤研究室の指導もあり今後の大量精製に向けて磁力を利用したMACSソーティングに移行し、効率を落とさずより簡便に採取精製することができるようになった。 ・ラットによる心停止ドナー移植モデルが困難であったことが想定外であったが、現在は過小グラフトモデルに切り替えて進められている。 ・ブタモデルは、必要とする細胞数が多いため当初から困難が予想させたが、MSCについては、1000万細胞数を一度に準備できる状況となったため、MSCに切り替えて実験を継続できている。
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今後の研究の推進方策 |
・ラットにおいては肝過小グラフト移植へのMuse細胞ブースト移植実験を加速させる。そのうえで必要十分な細胞数を割り出し、ブースト移植をしない過小グラフト移植群や心拍動下の全肝移植モデルと生存率、炎症性サイトカインのレベル、肝機能等を比較検討する。 ・ブタモデルについてはマージナルドナー移植モデルができているため、こちらもMSCブースト移植で継続するが、ラットの研究と足並みをそろえるため、ブタ肝過小グラフトモデルの作成も検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
残1,155円であり、予定通りの支出である。
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