研究課題/領域番号 |
17K10520
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
昇 修治 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30433288)
|
研究分担者 |
山田 和彦 鹿児島大学, 学内共同利用施設等, 教授 (40241103)
佐原 寿史 鹿児島大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (90452333)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 移植・再生医療 / 前臨床研究 / 虚血再還流障害 / ミニブタ / i移植免疫 |
研究実績の概要 |
ドナー不足に対するマージナル脳死・心停止ドナーへ適応拡大の際は、虚血再灌流障害(IRI)に伴う急性臓器不全や、免疫活性化による急性・慢性拒絶反応誘発が懸念され, 本研究では small interfering RNA(siRNA)を用いた保存臓器の保護・修復から、移植医療の向上を目的としている。 平成29年度は 目的 1.脳死ドナーに対する siRNA 導入( HMGB1、IL-6)による IRI 抑制効果の検証を行った。主要組織適合性抗原 MHC 確立ミニブタ脳死ドナー腎臓に対し、12日間低濃度FK506持続投与(血中濃度:10-15ng/ml)によりマイナー抗原応答を制御。既報の in vivo 実験に基づき、ボナック核酸 siRNA(抗HMGB1 および IL-6)1-5 mg/kg を、経腎動脈投与し、HMGB1、IL-6 の各々の治療効果を非導入例と比較。移植臓器の 3 か月以上の生着もしくは機能不全をもってend pointとした。血清ELISA法や生検検体RT-PCRによるmRNA定量、炎症(TNF-α, IL-1β,IFN-γ)/抗炎症性(IL-10/IL-1ra/TGF-β)サイトカイン等を評価する。siRNA 導入群と非導入群を比較し、結果、本目的の HMGB1、IL-6導入またその併用による IRI 抑制効果をみ認めた。 IL-6 と HMGB1 併用あるいは追加標的を同定し、siRNA を生成し、同様のプロトコールで効果を検証する必要があると考えられる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度は、当初研究実施計画に記載した内容について、研究実績の概要に記載したように計画通りの実験を遂行し、また結果を得ることができた。平成30年度以降も、計画書に従い、円滑な研究を進めることが可能と考えられるため、おおむね順調に研究が進んでいるものと判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
研究課題の継続として、平成29年度の結果を基に、平成30年度は、目的 2.脳死ドナーsiRNA 導入(HMGB1、IL-6、副刺激分子 CD40)による IRI・拒絶抑制効果の評価(MHC 不適合腎移植)を行い、臨床移植医療に準じた MHC 不適合腎臓モデルでの強い免疫反応下で、目的1 の炎症制御に副刺激分子 CD40 の制御を加えることにより短期IRI・拒絶制御および免疫寛容誘導の可能性を評価する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
アッセイのための試薬・材料の費用が当初の見込みよりも少ない結果となり、次年度使用額が生じました。もし可能ならば、同様の目的で平成30年度予定している実験の物品費として使用する計画です。不可ならば返還します。
|