1型糖尿病患者には、生活の質を改善させるべく膵ランゲルハンス島(膵島)移植療法が行われている。2011年、米国では8000件の心停止ドナーがあったにもかかわらず、僅か1562人の膵臓しか取り出されていない。バーチャル・クロスマッチ陰性の患者が待機リストにいなかったことが主な理由である。膵島が簡便、かつ高品質でバンキングできれば、80%のドナー膵は無駄にならず、細胞の移送もできるなど、移植の柔軟性は高くなる。糖尿病治療の分野においても、膵島シートの研究は進んでいるが、評価できるモデル、移植法も不明である。糖尿病治療の効果を正当に評価できる“モデル”の作出が不可欠である。
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