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2017 年度 実施状況報告書

眼の前房で誘導したトレランスによる臓器移植生着手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K10529
研究機関明治国際医療大学

研究代表者

山田 潤  明治国際医療大学, 医学教育研究センター, 教授 (80351352)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード臓器移植 / トレランス / 前房関連免疫偏位 / 培養細胞移植
研究実績の概要

最終目標である、「アロの培養細胞を用いて、生体肝移植や生体腎移植に十分な効果が得られるトレランスを誘導する」に向けて、「アロ内皮細胞を用いて、前房内に細胞移植し、生体心臓移植に十分な効果が得られるトレランスを誘導する」について検討を行っている。アロ内皮細胞として、primary角膜内皮細胞を前房内に移植した場合は有意な心臓移植生着延長が得られた。ドナーにはC57BL/6、もしくは、MHC適合されているB10.D2を用い、BALB/cをホストとして用いた。一般的に用いられているC3Hホストでの検証実験を開始している。100日を越える心臓生着も見られているが、組織標本からは炎症細胞浸潤がみられており、軽度の拒絶応答がある可能性が考えられ、角膜内皮細胞では心臓特異的に発現していると思われるアロ抗原に対する免疫応答を抑制出来ない可能性があり、血管内皮細胞を用いた検討に切り替えた。臨床的にも血管内皮細胞はリーズナブルなドナー細胞であり、重要な拒絶のターゲットでもある。
C57BL/6由来のprimary静脈血管内皮細胞を購入し、培養による変性がない事を確認した。前房内へ細胞移植を施行したところ、70%以上の個体において前房出血を来す事が判明した。角膜内皮細胞の移植では、マウス血管内皮細胞でもヒト血管内皮細胞でも、さらに10倍の細胞数を移植しても全く問題が生じない。現在、出血を来す原因追及を行うとともに、出血を抑制出来る手法開発を行っている。同時に、出血を来していない個体においてトレランス誘導が出来ているかについて検討を始めている。また、ヒトにおいても採取可能な適切な細胞を用いる事が可能かどうか検証にはいる。たとえば皮膚から採取した線維芽細胞などを候補として考えており、前房内で生着するかどうかや、トレランス誘導が可能かどうかについて早急に検討を始める。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

マウス血管内皮細胞の購入に関して、米国の会社の遅れが生じた。GFPマウスの血管内皮細胞が起きず、再作成予定となったが、結局マウス調達不可で購入不可となった。この部分に5ヶ月を要した。結局通常のC57BL/6血管内皮を購入した。
また、進捗状況に記載したように、前房内へ血管内皮細胞を移植した際に、予期せぬ前房出血を来すという事が判明した。現在、方針転換も含め、検討を繰り返している。

今後の研究の推進方策

出血を来す原因追及を行うとともに、出血を抑制出来る手法開発を行っている。同時に、出血を来していない個体においてトレランス誘導が出来ているかについて検討を始めている。また、ヒトにおいても採取可能な適切な細胞を用いる事が可能かどうか検証にはいる。たとえば皮膚から採取した線維芽細胞などを候補として考えており、前房内で生着するかどうかや、トレランス誘導が可能かどうかについて早急に検討を始める。

次年度使用額が生じた理由

マウス細胞株の購入において、米国の会社の手違いによって約6ヶ月の遅れが生じたため、培養、移植、その他に遅れが生じた。また、前房出血の合併症が生じたため、問題解決に数ヶ月を要している。今年度には心臓移植と角膜移植とを行い、その結果を早急に出すことが可能であるので、同額の使用を計画している。

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公開日: 2018-12-17  

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