「培養したドナーの細胞を用いて、ドナーアロ抗原に対するトレランスを誘導し、免疫抑制剤を用いずに臓器移植を生着させる事」が最終ゴールである。マウス角膜内皮細胞を前房内に移植し生着させたマウスにおいては同じドナー由来の心臓移植を有意に生着させ、50%以上が100日以上の生着が得られる組合せも得られた。しかし、100%の生着を確証出来なかった。また、ヒトに応用すべく、培養血管内皮細胞を前房内に移植した際には前房出血が100%誘導され、視力低下を来す事が明らかとなった。結局、ドナー細胞が無治療で長期生着出来る場所や方法を再検討せざるを得ないと結論づけた。
|