乳癌組織を用いた検討では、ER陽性乳癌においてWnt5aとALCAMの発現は強く相関しており、Wnt5a/ALCAM陽性乳癌はER陽性乳癌のなかで一つのグループを形成していることが考えられた。Wnt5aはER陽性乳癌における悪性化を誘導する因子であり、そのメカニズムとしてJNKを介してALCAMの発現が誘導されることが示唆された。今後は、ER陽性乳癌における悪性度、治療効果・予後予測としての因子への活用や、抗Wnt5a抗体やALCAM, Wnt5aを標的としたRNAiなど、新たな分子標的治療のターゲットとしてのさらなる検討が期待される。
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