研究課題/領域番号 |
17K10560
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
横山 省三 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (90398462)
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研究分担者 |
山上 裕機 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20191190)
松田 健司 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (30398458)
堀田 司 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (50244744)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | CEACAM1 / exosome / PD-L1 / Galectin-9 |
研究実績の概要 |
近年、血清中の40~ 150 nmのリン脂質膜を有する膜小胞exosomeが診断・治療の新しいツールとして注目されている。しかしながら、これまで、exosome上の膜蛋白を簡便に測定する方法が確立されておらず、基礎研究および臨床研究においてexosome上の膜蛋白はバイオマーカーとしての期待があるにも関わらず、検討できない状況であった。われわれは、血中exosomeに存在する膜蛋白のEnzyme-Linked ImmunoSorbent Assay(ELISA)による測定法を新たに開発し、特許を出願した(特許2016-158985)。この方法で、現在注目されているexosome 上のさまざまな膜蛋白について臨床での測定が可能となる。本研究では細胞機能抑制機能を有するCEACAM1を含むexosomeと大腸癌患者の末梢血単核球におけるCEACAM1, TIM-3, PD-1の発現による新規バイオマーカーの開発と大腸癌患者の血清中に分泌された癌細胞由来exosomal上のCEACAM1,TIM-3, PD-1の相互作用による新たなimmune checkpoint therapyの開発および分子マーカーの開発を目的とする。これまでに、CEA familyであるCEACAM1,CEACAM5,CEACAM6のexosome上の発現をELISAにて測定できるassayを開発している。凍結血清の溶解温度とexosome溶解液の変更によりより正確にexosome上の膜蛋白が測定可能であり、TIM-3およびPD-1のリガンドである、Galectin-9、PD-L1について最適な条件を検討することで、臨床応用可能な簡便なexosome膜蛋白測定用ELISAを開発する。現在までに、大腸癌手術症例の血清を採取し、最適な測定条件を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
白血球、T細胞の膜蛋白の発現が定常的なものでなく、周囲からの刺激により変動するため、細胞の解析が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに、CEA familyであるCEACAM1,CEACAM5,CEACAM6のexosome上の発現をELISAにて測定できるassayを開発しており、同様にTIM-3およびPD-1のリガンドである、Galectin-9、PD-L1について血清exosome上の膜蛋白を臨床検体で測定する系を確立する。その後、細胞を使用した実験を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度は、臨床検体の採取と細胞実験の準備等に時間がかかったため、実際の計測に必要な試薬等は、平成30年以降に必要となるため次年度使用額が生じた。
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