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2018 年度 実施状況報告書

病理標本を基盤とした形態診断と分子診断を統合した新しい乳癌再発予測モデルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 17K10568
研究機関公益財団法人がん研究会

研究代表者

大迫 智  公益財団法人がん研究会, がん研究所 病理部, 研究員 (70535442)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード乳癌 / 予後因子 / 病理診断 / 免疫染色
研究実績の概要

乳癌の術後薬物療法では、各患者のベースラインリスク(無治療であった場合の再発リスク)を正確に推定することでその患者に適した治療選択が可能となる。本研究の目的は、ベースラインリスクをより正確に推定するため、術後薬物療法が普及する前の1980年代以前の日本人乳癌患者を多数集積し、病理形態診断と分子病理診断を統合した新しい予測モデルを開発することである。
本年度は、形態学的評価、免疫染色および蛍光in situ hybridizationを効率的に多数症例に行うために、乳癌組織を使った組織マイクロアレイ(TMA)の作製を開始した。目的に応じて2種類のTMAを作製し、現時点で約100症例の作製が完了している。
TMAの有用性を検証するため、組織ブロックwhole sectionおよびTMAのそれぞれにエストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、HER2、Ki67、PD-L1などの免疫染色を行い、陽性率の比較を行っている。
また、腫瘍浸潤リンパ球を客観的に評価するため、画像解析ソフト(Image J)の条件作成を行い、完成させた。さらに、画像解析に供する目的で、約100症例のwhole sectionおよびTMAのHE標本、免疫染色標本を病理標本用スキャナーで取り込み、whole slide imageによるデジタル化を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

以下の2点が挙げられる。
1)施設内の病理医の退職などによる研究代表者の病理診断業務の増加により、研究に費やすことができる時間および労力が極端に減少したため。
2)日常診断業務および当該研究以外の研究業務の増加により、臨床検査技師による研究用の標本作成に時間を要するようになったため。
本年度も状況は変わらないが、技師を雇用するなど研究を補助してくれる人を増やし、業務を遂行したい。

今後の研究の推進方策

組織ブロックwhole sectionおよび組織マイクロアレイ(TMA)での免疫染色結果および腫瘍浸潤リンパ球評価の比較を行い、TMAの有用性の検証を完了させたい。また、TMA作製およびTMAを使った免疫染色を継続して行い、各マーカーと患者予後(ベースラインリスク)との相関を探索したい。

次年度使用額が生じた理由

研究計画全体がやや遅延しているため、当初計画していた分子病理学的研究を行うことができなかった。次年度使用額は、分子病理学的研究に使用したい。

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公開日: 2019-12-27  

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