研究課題/領域番号 |
17K10590
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
古川 高意 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 専門研究員 (00736530)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 食道扁平上皮癌 / エクソソーム / miRNA / 化学放射線療法耐性 |
研究実績の概要 |
それぞれ別々の検体を使用し、二段階に分けて食道癌患者と健常者の血清検体を次世代シークエンサーによる比較解析を行うことで、両群間に差異のあるマイクロRNAを選出した。データベースはmiRbaseを使用し、全体の90%の症例で発現を確認でき、健常者群より2倍以上の発現亢進かつ平均値の比較(t検定)でp<0.05であることを条件とした。 第一段階として94のマイクロRNAが選出された。これらの中で第二段階でも再現性が確認できたマイクロRNAは28であった。これらのうちmiR Xは健常者に比べて食道癌患者で第一段階で24倍、第二段階でも14倍発現が亢進しており、診断の正確性を示すROC曲線のAUCは0.9であった。また、miR Yは診断マーカーとしての有効性が示された他、食道癌手術後の血清検体で有意に発現が低下していることが確認できた。(発表前データのためマイクロRNAの名前は匿名としている)。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
食道癌における診断および治療効果に関与するマイクロRNAが同定された。今後はqRT-PCRにて再現性が確認できるか、また組織での発現について確認し、研究を進めていく。
|
今後の研究の推進方策 |
現在までの結果を踏まえて、今後は低酸素環境下でのマイクロRNAと腫瘍内血管新生と治療抵抗性の検討を進める。
|
次年度使用額が生じた理由 |
食道癌に特異的なマイクロRNAの同定はできたが当初の計画からは遅れが生じ、その結果次年度使用額が生じている。 これまでの結果を踏まえて、今後は低酸素環境下でのマイクロRNAによる腫瘍内血管新生と治療抵抗性との関連、DNA修復機構と細胞老化、治療感受性の検討を進めていく。
|