研究課題/領域番号 |
17K10591
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
田邊 和照 広島大学, 医系科学研究科(保), 教授 (40379847)
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研究分担者 |
大段 秀樹 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (10363061)
弓削 類 広島大学, 医系科学研究科(保), 教授 (20263676)
坂本 直也 広島大学, 医系科学研究科(医), 助教 (20571798)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 胃がん / オルガノイド / 薬剤感受性 |
研究実績の概要 |
近年の診断技術の進歩や治療開発にもかかわらず,切除不能な進行胃癌の予後は他癌腫と比較しても未だに不良で新たな治療戦略が求められている。ゲノム解析により分子標的剤をはじめとした治療選択において期待されるが,一方で今後も期待される免疫治療においては効果のバイオマーカーが不明なものも多く,さらなる開発が求められている。また,胃癌の特性である腫瘍内あるいは転移臓器間でのheterogeneityも治療予測困難あるいは治療抵抗性に関与していると考えられる。本研究では,胃がん細胞株並びに胃がん臨床検体から癌オルガノイドの樹立をまず確立することに成功した。さらに確立した癌オルガノいどの特性について元の細胞株,臨床検体との比較をWestern blotなどを用いて確認した。さらに新規治療開発の基盤となるべく,免疫細胞接触を可能とするオルガノイドモデル作成を目指した検討を行なった。その結果,細胞基質であるマトリゲルを薄く貼った上にオルガノイドを培養することで免疫細胞接触可能となることが明らかとなった(オーバーレイ法)。さらに重力可変装置を用いて各重力負荷変化によってオルガノイドの増殖力などが変化することが明らかとなった。これについてはインテグリンを介したMAPK経路の活性化が生じているためと考えられた。過重力環境(3G)を用いることで従来の約1.5倍の増殖速度が得られることから,臨床検体からオルガノイド作成時間を短縮できる可能性が示唆された。今後,これらを用いて薬剤感受性などの検討を行い,新規治療開発の一助としたい。
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