研究課題
自己細胞からなる人工臓器による再生医療は、自己細胞を利用できる点や異物を必要としない点などから理想的であり、世界中で様々な臓器に関して研究が行われている。また、近年バイオ3Dプリンターが開発され、研究が進められてきた。我々は、細胞凝集現象を応用したspheroidを用いて、構造体を立体化することによって、Scaffoldを使用しない理想的な臓器の作製が可能な、バイオ3Dプリンターを用いて、再生医療の一つとして、線維芽細胞や間葉系幹細胞を用いた基本構造の構築とそれを応用した人工臓器の作製にチャレンジしてきた。人工食道を用いた食道の再生医療は、成人、小児双方において、現治療の代替医療として重要な意味を持つ。これを治療に用いることができれば、食道疾患治療において、大きなオプションを持つことになるとともに、画期的な変革をもたらすことができると考えられる。これまで我々は、Scaffoldのない管腔構造体の作製実験において、気管様構造体では、気道への移植に成功している。本研究では、これまでのバイオ3Dプリンティング技術を用いて、体組織細胞、幹細胞から、Scaffold-freeの人工食道の構造体を作製する。これを小動物から大動物へ移植することで、生体での生着、適合性、強度の評価を行う。さらには、大動物へ移植可能な大型の構造体の作製およびこの三次元を構成するメカニズムの解明をおこなった。具体的には、1.人工食道を作成するための最適な細胞ソースの選択・組み合わせの解明、2.小動物を用いた移植にて、生体への生着、適合、力学的の評価を行った。
すべて 2019
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PLOS ONE
巻: 14 ページ: e0211339.
10.1371/journal.pone.0211339. eCollection 2019.