研究課題
ハーセプチンやリツキシマブなどの抗体製剤は、乳癌、胃癌、リンパ腫の治療体系の標準治療に組み込まれ、癌患者の予後向上に寄与してきた。しかし、その効果は依然として限局的であり、癌細胞が耐性を獲得するなど、さらなる改善が急務である。近年、抗体医薬において、抗体糖鎖からフコースを除去(脱フコシル化)すると、抗体依存性細胞障害活性(antibody-dependent cellular cytotoxicity;ADCC)が大幅に増強することが示された。しかし、現在までに、消化管癌を対象とした臨床検体での細胞株と消化管癌患者末梢血単核球細胞を用いた検証はなされていない。本研究では、消化管癌において、既存の抗体医薬に比し脱フコシル化抗体の有効性を示すことを目標としている。さらに、癌患者におけるマクロファージやNK細胞といった免疫担当細胞の抑制状態を解明し、脱フコシル化抗体を用いることでその抑制状態を克服し得るかを研究する。胃癌患者20名から末梢血リンパ球を分離し、脱フコシル化ハーセプチンと、脱フコシル化セツキシマブを用いたADCCを検討し、脱フコシル化抗体が、有意にADCCを増強させることを突き止めた
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