研究課題/領域番号 |
17K10607
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
角田 卓也 昭和大学, 臨床薬理研究所, 教授 (30275359)
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研究分担者 |
田中 浩明 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (90382168)
谷 眞至 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60236677)
大塚 耕司 昭和大学, 医学部, 講師 (30349063)
下川 敏雄 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (00402090)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 腸内細菌叢 |
研究実績の概要 |
がん患者の口腔内や便からの腸内細菌を測定し、腸内細菌(Microbiota)と疾患との関連を検討することで、疾患の特徴や治療効果などとの関連を解析する。共同研究施設と厳密なプロトコールを作成し、各共同研究施設の倫理委員会の承認の後、サンプルを集積中である。さらに、大規模データベースを管理するシステム(昭和大学Uバンク)の構築が完了した。これにより、データの統計学的解析が可能となった。現在、精力的に解析中であるが、健康成人の便からのMicrobiotaとがん患者(食道がん、胃がん)のそれをPC解析すると、パターンが異なる傾向が見られた。現在、共同研究者と新規プロトコールを作成し、症例を増やして解析中である。このように、Microbiotaを解析することで新規の知見が得られる可能性がある。特に、最近国や地域によってMicrobiotaの違いがあることが明らかになってきており、わが国独自のMicrobiotaのデータベースの構築が重要である。また、がん患者には特異なPC解析パターンを示す患者が存在することが明らかになり、臨床情報とも解析中である。昭和大学Uバンクによる大規模データベースは臨床情報とも関連していることが重要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
共同研究はともすれば進捗が遅れがちであるが、順調に症例の集積は進んでいる。この事実より進捗状況は順調であると考えている。データベース化も達成しており、更に情報の集積を進めれば、目標としている疾患や治療法とMicrobiotaの関連性が明らかになると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後、更なる情報集積も重要であるが、統計学的な解析を進めていく必要がある。また、出てきたデータを確実なものとするため、科学的に整合性が取れる範囲で躊躇なくプロトコールの変更や改定を積極的に行うことを考えている。更に責任医師の所属の変更など研究継続体制についてのサポートは必須と考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
共同研究施設と厳密なプロトコールを作成し、各共同研究施設の倫理委員会の承認の後、サンプルを集積中であり、順調に症例の集積は進んでいる。しかし、腸内細菌叢の検査自体は若干の遅れがあり、当初予定していた科研費を使用せずとも、講座研究費等で試薬資材の購入をすることで、研究を進めることが可能であったため、科研費においては次年度使用額が生じる結果となった。 順調に症例の集積は進んでおり、今後はそれらの細菌叢検査及び解析を推進するため、講座研究費以上に試薬資材費の支出が見込まれている。次年度は本研究計画において、更なる解析を進め情報集積を図るとともに、統計学的な解析も進めていく必要があり、科研費が必須となる。
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